65.Monthlyハイライト

2022年10月6日

2022年9月

9月も新型コロナウイルスによるプロジェクト活動への影響はほぼなく、予定した多くの活動を実施することができました。

9月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:水道・公衆衛生戦略 中・南部展開会議開催

9月13日サワンナケート県にて、公共事業運輸副大臣やサワンナケート県副知事が出席し、水道・公衆衛生戦略全国説明会(中・南部)が開催されました。今年3月に当戦略が大臣決裁されたのを受け、全国18都県の県公共事業運輸局(DPWT)、水道公社へ内容説明をするもので、北部地域については3月にすでに実施されておりましたが、中・南部地域については調整が難航しておりこの時期の開催となりました。今後は各県DPWTが県版の水道戦略の策定を進めることになります。策定においては、国の方針に基づき県の業務の役割が少しでも明確となるように進めていきます。

b.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ 審査結果説明会開催

9月30日にパイロットプロジェクト第2バッチの審査結果説明会(オンライン)を全国DPWT、水道公社に対して実施しました。全国18都県へプロポーザル作成・申請を公募したパイロットプロジェクトの実施者(公共事業運輸省・水道局:DWS/MPWT)が選定結果を公表することはOutput1で取り組んでいるTAG(Transparency, Accountability, Governance)の観点からも重要です。第1バッチの審査結果報告は、残念ながら表面的な説明に終始しDPWT、水道公社からすると歯がゆい内容でしたが、第2バッチは専門家が審査結果説明会を実施するかどうか確認するだけで、報告内容の準備や日程設定はすべてカウンターパート(PPEC: Pilot Project Evaluation Committee、PPTT: Pilot Project Task Team)が行い、報告内容も、審査・選定過程をわかりやすく説明しました。しかし、数県から具体的に改善点を指摘してもらいたいという要望には対応することができず専門家が助けることになりました。次なる課題としてPPEC、PPTTに取り組んでもらいたいと思います。

c.Output4:第5回Mini Workshop(計画・財政)開催

9月に北部、中部、南部に分かれて計画・財政をテーマにしたMini Workshopを開催しました。Mini Workshop終了後、10月末までに各県から水需要予測、財政5表シート、中長期計画を提出してもらい、理解度と進捗を確認する予定です。Mini Workshopの振り返りとして、水道・公衆衛生戦略で予定している水道整備には財源の見込みのない希望的な事業も多く、すべての実現は非常に困難な状況だということがわかりました。戦略の水道整備リストはDPWTからの回答に基づいた計画ですが、計画の基礎となる計画給水区域や水需要予測、施設規模が明確でなく、水道公社と情報共有されていない課題もあります。地方の浄水場ではスケールメリットも小さく、予定していた水需要がなく料金収入が得られないなど、新しく施設を整備し普及率を向上する一方で経営が苦しくなる場合もあります。経営状況を改善するために、行政の支援や料金値上げが必要ですが、行政の予算不足やDPWTの政治的な判断で料金改正も承認されない状況もあります。今後、DPWTの役割を明確にし、少なくとも基本計画の段階から水道公社が参画できる仕組みを構築できるよう、かなりの時間を要すると思いますが、辛抱強く働きかける必要があると考えます。

d.Output4:首都ビエンチャン水道公社水道教室開催

9月29日に首都ビエンチャンのノーンブアトン村で水道教室を実施しました。この地区は給水区域になっているものの、まだ水道を利用していない家庭も多く、水道の理解を促進するため、都市化や農薬散布による井戸水の水質悪化事例、水道の浄水方法、給水装置工事申し込み手続きなどが首都ビエンチャン水道公社から説明されました。会場準備からお客様アンケートの実施、浄水のしくみの説明など手際よく、活動が定着されたことを確認できました。地道な活動でありますが、水道普及率・施設利用率を向上させ水道経営を改善させる重要な活動なため、さらに全国で定着できるよう活動を継続します。

e.ラオス水道協会2022年第1回理事会開催

9月22日にラオス水道協会・理事会が開催されMaWaSU2専門家はオブザーバーとして参加しました。理事会では事務局より前期の活動報告の他、後期の活動計画が報告されました。主な内容は、災害時の支援金取扱い規約案や、MaWaSU2の代替となる研修・調査事業を実施するための組織体制の検討、会員への広報案などです。ラオスではいづれも初めての取り組みのため、試行錯誤しながら水道協会の実績・経験を積んでいけるよう活動を支援していきたいと思います。

【画像】

a-1 水道・公衆衛生戦略 中・南部展開会議 開催挨拶の様子

【画像】

a-2 水道・公衆衛生戦略 中・南部展開会議 集合写真

【画像】

b-1 パイロットプロジェクト第2バッチ 審査結果説明会の様子

【画像】

c-1 第5回Mini Workshop(計画・財政)集合写真(北部Xayabouly県)

【画像】

c-2 第5回Mini Workshop(計画・財政)において水道公社幹部に財政指標を説明する浜口専門家(中央左)

【画像】

c-3 第5回Mini Workshop(計画・財政)の様子

【画像】

c-4 ラオス水道協会から記念品を受け取る浜口専門家(左)

【画像】

d-1 水道教室の様子(浄水過程説明)

【画像】

d-2 水道教室終了後集合写真

【画像】

e-1 ラオス水道協会・理事会集合写真

【画像】

e-2 ラオス水道協会・理事会の様子