69.Monthlyハイライト

2023年2月6日

2023年1月

MaWaSU2プロジェクト最後の年になりました。プロジェクト目標を達成し後継案件につながるよう、専門家/プロジェクトスタッフ・ラオスカウンターパート一丸となって活動を進めていきます。

1月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:公共事業運輸省・水道局(DWS)との主な活動

・包括的制度改善戦略(OIDS)・優先課題改善戦略(PDCDS):PDCDS(法制度整備戦略)策定、PDCDS実践(施設整備制度改善+能力強化)
・水道セクター開発基金(WSSDF):水道開発基金委員会開催準備
・水道戦略(WSS)・都県水道戦略(PWSS):都県水道戦略策定支援会議準備

b.Output2:パイロットプロジェクト第1バッチ事後評価

パイロットプロジェクト第1バッチの事後評価を1月4日にボリカムサイ県、1月10日にポンサリー県にて実施しました。事後評価では、プロジェクトの実施前と実施後の状況を評価シートにまとめ、プロポーザルで示した目標の達成状況を確認しました。目標を達成するために実施した活動をレビューし、未達成の目標に対して達成できなかった原因や今後の取組みについて確認しました。評価に対するDWSの様子は67.Monthlyハイライト(2022年11月)でお伝えしたとおりですが、ボリカムサイ県水道公社からは「評価実施後にパイロットプロジェクト実施1年後の状況把握をしたことで、今後何をすべきか整理することができた」と前向きな発言がありました。ポンサリー県水道公社は、評価シートにまとめるデータが不正確なところもあり、データの管理および整理の重要性を再認識したのではないかと思います。

c.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ工事開始前訪問

パイロットプロジェクト第2バッチの工事を開始する前に、資機材の検品のためサイニャブリー県、シェンクワン県(クーン郡)、ポンサリー県(マイ郡)水道公社を訪問し、納品された資機材の数量や仕様、不良の有無などを確認しました。ラオスではHDPEやuPVC、PVCといった管は自国で製造が可能ですが、鉄管や付属品は海外から輸入しています。輸入先も中国やベトナム、タイ、マレーシアなど様々で混合して納品されているのが散見されました(口径など仕様上は同等ですが、部品によってはベトナム製よりマレーシア製の方が良いと水道公社の現場職員には認識されています。ただし、細かい点での品質管理・保持の制度はまだラオスでは確立されていません)。また、納品された資機材の品質を維持するために、各県水道公社で直射日光を避けるような保管方法も工夫されていることを確認しました。パイロットプロジェクトでは、工事着手前に施工体制、工程表、施工手順、安全対策などを記載した施工計画書の作成にも取り組んでいます。

d.Output3:技術基準

DWS担当者と技術基準(省令・指針)の大臣決済プロセスの再開に向けた指針の確認作業を進めました。その主な手順は1)専門家からカウンターパートに対するカウンターパートの理解が乏しい文言や図表の解説、2)カウンターパートによるラオス語での文言や図表の追加や削除、適切な言葉表現の選定などです。今月は主に第4章(浄水施設)に取り組み、例えば1)ろ層の濁室抑留量の分布とろ材の粒度分布、2)アンモニア態窒素が多い地下水を原水とする場合の塩素処理方法(不連続点、結合)などを確認しました。

引き続き、今後も指針への理解促進と全国展開に向けた準備を進めます。

e.Output4:ラオス水道協会・調査研究、研修事業への取り組み

1月20日にラオス水道協会の年次総会が開催されました。2022年活動報告と2023年活動計画、財政報告などに加え新名誉会員の紹介がありました。先行案件MaWaSU(2012~2017年)でプロジェクトダイレクターを務めたカンタビー元住宅都市開発局長が名誉会員に任命されるなど、MaWaSUのつながりを改めて感じました。ラオス水道協会には調査研究、研修、国際交流、災害支援を含む多くの事業があります。そのうち、調査研究事業ではMaWaSU2の分科会を発展的に継続するために、専門家チームが提案した技術委員会設置が総会で取り上げられました。また、研修事業を効果的に実施するための講師研修として、MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携メンバーが先行して受講していたOutcome-Based Education(OBE)教授法を首都ビエンチャン水道公社・チナイモ研修センター講師へ紹介する研修会が1月25~27日に開催されました。

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b-1 パイロットプロジェクト第1バッチ事後評価の様子(現地訪問・ボリカムサイ県)

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b-2 パイロットプロジェクト第1バッチ事後評価で意見を述べる野澤専門家(中央)

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c-1 パイロットプロジェクト第2バッチ納品状況を確認する今坂専門家(右)

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c-2 直射日光を避けるよう保管方法が工夫されていることを確認

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c-3 施工開始前に現地を確認する今坂専門家(中央)

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d-1 ラオス水道協会新名誉会員紹介の様子(左から3人目カンタビー元住宅都市計画局長)

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d-2 ラオス水道協会によるOBE教授法講師研修会の様子

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d-3 OBE教授法受講証を掲げる首都ビエンチャン水道公社の講師