リベリア共和国(以下、「リベリア」)では1989年から15年に及んだ内戦により保健医療システムが荒廃し、保健・衛生指標は著しく悪化した。現在に至っても、同国の妊産婦死亡率は725(出生10万対)(WHO, 2018年)、乳児死亡率は56(出生1,000対)(世銀, 2017年)、人間開発指数は189か国中181位(2017年)と、世界最低レベルを推移している。加えて、2014年に発生したエボラウイルス病(EVD)の感染拡大では、かねてより脆弱な保健医療システムが一時的に機能不全となり、延べ4,800名以上の死者を出した。
リベリアは長年に亘り、必須医薬品・医療機材の慢性的な不足、医療従…