LiSCaPロゴとプロジェクトに対する想い(第2回JCCを通して)

2020年6月15日

2019年7月に開催された第1回合同調整会議(Joint Coordinating Committee:JCC)に引き続き、2020年2月12日に2回目となるJCCがリロングウェ水公社(LWB)の新庁舎会議室において開催されました。無収水削減計画策定、パイロット活動を実施するDMA(District Metered Area)での活動準備状況、またLWB内外への無収水対策に係る知見共有に関する普及戦略の策定など、この間に進められてきた成果が、前回同様にカウンターパートにより発表されました。前回の32名を上回る47名参加となり、LWB以外からも多くの参加者があったことは、マラウイ側の関心の高さによるものと思います。
JCC開催の前には、今後のプロジェクトの実施にあたり一つの大きな不安材料が生じていました。それは、長年LWBを牽引し、横浜市との繋がりが深かったプロジェクトダイレクターであったLWBのCEOの異動です。また、プロジェクトマネージャー、パイロット活動の中心であった南部地域事務所長も、同時期に人事異動となり、主要カウンターパート3名が交代となりました。このため、JCCにおいてはいかに適切に業務の引継ぎが実施され、プロジェクトの内容や進捗状況を把握してもらうかが大きなテーマとなりました。チーフアドバイザーを中心に綿密な戦略のもと調整や事前準備に時間をかけたことや、後任には、3名ともに本邦研修参加者が着任したことも幸いし、理解の促進を図ることができました。結果として、新任のプロジェクトダイレクターやプロジェクトマネージャーからはこれまでと同様に、無収水削減活動を続けていく強い意志がJCCにおいて述べられ、また南部地域事務所長からはこれまでのパイロット活動の成果の発表が滞りなく実施されました。
第2回JCCでは、これまでの進捗や今後の方向性を共有することに加えて、新たに作成した本プロジェクトのビジョンを示すロゴマークを発表することができました。LWBの広報課にはJOCV(JICA青年海外協力隊)が赴任しており専門家が着任する前より活動を続けていましたが、本プロジェクトとの協調のなかで同協力隊員が中心となりプロジェクトのロゴマークを作成し、JCCの冒頭、ロゴマークのお披露目とデザインの意味やモチーフに関して説明頂きました。

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【JCCにおけるJICA協力隊員からのメッセージ】
LiSCaPのロゴマーク作成にあたり、リロングウェ水公社の広報部署で活動するJOCV(JICA青年海外協力隊)としてデザインに携わらせていただきました。現地スタッフや日本人専門家の方々とプロジェクトの目的やそれぞれの思いを共有する中で形にし、心のこもった素敵なロゴマークができあがりました。
中央青色の三本の曲線は、水源であるリロングウェ川と水供給をイメージしています。そしてそれを支えに元気よく上に向かって伸びる緑の三本線はメイズ(トウモロコシ)の葉をイメージしており、このプロジェクトの成功、そしてリロングウェ市の発展を表しています。人が水滴をとらえる姿は、まさにロゴマーク上のメッセージ「Catch Every Drop for Our Future」を示しており、「無収水をみんなで減らしていこう」というプロジェクトメンバーの思い、また市民へ向けたメッセージとなっています。
LWBで活動していると、「水供給を改善したい。リロングウェ市の水供給を支えるのは自分たちなのだ。」というプロジェクトメンバーの誇りと責任感が伝わってきます。そして私も一緒に頑張りたい、応援したいという気持ちになります。そういう中でデザインしたこのロゴマークが、メンバーの熱意を支え、勇気づけてくれるような、そんなロゴマークになればいいなというのが私の密かな想いです。

この説明を受け、JCCに参加したLWBのカウンターパートおよび専門家の全員が、ロゴマークが象徴するやさしさや包容力を感じるとともに、そこに込められた強い意志に負けず取り組んでいこうと決意を新たにしたと思います。
なお、このロゴマークは、今後、活動に使用されるすべての書類のレターヘッド、ロールアップバナー、名刺、および住民向けの啓発活動で配布するマテリアル等へと展開され、その想いは住民をはじめとする関係者へ届けられることになります。

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LWB新庁舎会議室における第2回JCC開催の様子

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第2回JCCの冒頭における青年海外協力隊員によるLiSCaPロゴの説明

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地元プレスとインタビューを受けるJICA本部職員