モデル県でのプロジェクト活動

2016年3月3日

本プロジェクトでは北部に位置するボルガン県とオルホン県をモデル県とし、そこで医療従事者のための卒後研修を強化することにより地方での医療サービスを向上させることを目標のひとつとしています。
モデル県においては今年2月に小児救急医療の講習会を開催したところですが、3月にも救急外傷医療に関する講習会を実施しました。主な内容としては、心肺蘇生と救急外傷患者への2次医療レベル施設での処置についてでした。モンゴルでは全国的に交通事故が多発しており救急医療体制の整備、また救急搬送されてくる患者への対応が課題になっています。今回の研修は講義中心となりましたが、9月には高機能マネキンを使った実習形式の高度救命診療コースを首都ウランバートルで開催、その後そのコースをモデル県でも開催することを計画しています。

またプロジェクトのモデル県での活動のひとつとして上位医療施設(3次または2次医療施設)が下位医療施設(村のクリニックなどの1次医療施設)に対し、研修の実施や診療の指導を行うなどサポートしていくシステム、これをプロジェクトではガイダンスシステムと呼んでおり、その強化を図っています。過去ベトナム国におけるJICAプロジェクトで同様の活動が行われ大きな成果をあげています。そこで今回、ベトナムでの経験を参考にモンゴルでどのようにガイダンスシステムが活用できるかについて講習会を開きました。モンゴルの場合、国土の広大さから医療施設どうしが相当離れているなどベトナムとは異なる状況にありますが、地方での医療サービスを改善していくにはガイダンスシステムは必要と認識されています。今後どのようにこのシステムを強化しいくか具体的な施策を更に検討していきます。

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救急外傷の講習風景 旭川医科大学、藤田教授

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JICA専門家によるガイダンスシステム講習会 NCGN稲岡専門家