小児一次救命処置(Pediatric Basic Life Support:小児BLS)の研修パッケージ作成

2016年11月30日

小児一次救命処置(小児BLS)の研修パッケージの作成が小児救急を専門とする井上信明医師を中心に開始されました。

小児BLSとは心肺停止の小児患者に対する特別な器具を用いない初期対応法であり、世界的に標準化されたものです。そこでJICAプロジェクトは小児BLSをモンゴル国の実情を考慮しながら部分的に修正を加え研修パッケージを作成していきます。研修の対象はすべての医師と看護師ですが、特に一次及び二次レベル医療施設従事者には必須の内容となります。そこで地方でも一定の質が担保され標準化された研修が行われることが重要となり、パッケージ化した研修の開発はそのためにも有効と考えられます。

研修パッケージは講義、実技演習、症例シナリオの演習から成ります。実技や症例シナリオの演習ではビデオ教材を取り入れる予定であり、その作成も開始されました。シナリオは井上専門家が担当、モンゴル国の医師と看護師が実演し、保健省のカメラマンにより撮影されました。

またこの間、同専門家によりウランバートルの母子医療センターと第1中央病院、モデルサイトであるボルガン県の保健局で小児BLSの講義と実技指導が行われました。参加者の満足度は高く、この研修の重要性も再確認できました。

2017年1月を目標に研修パッケージの第1版を完成させ、インストラクター養成研修を実施、その後ウランバートルとモデル県から小児BLS研修を開始していく予定です。
またプロジェクトはこの小児BLSを研修医また免許更新時の医師の必須研修とすることを提案していきます。

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小児BLSのビデオ教材作成風景

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井上専門家による小児BLS研修の様子