ガイダンスシステムに関する技術指導

2017年3月17日

上位レベルの医療施設が下位レベルの医療施設を指導することは医療の恩恵を多くの住民に波及させるために効果的なやり方です。このような仕組みをガイダンスシステムと名付けており、過去にベトナムのプロジェクトで実施し、成果を挙げています。当プロジェクトではモデル県であるボルガン県とオルホン県でガイダンスシステムを構築するための技術指導を活動の一部に含めています。
ガイダンスシステムについて成功例を交えながら説明し、担当者を決めることから始めました。そして2次医療施設である県総合病院が一次医療施設であるソム(村)病院や家庭病院を指導することを年間計画に含めるよう指導しました。
ボルガン県は面積が48万平方キロメートル(九州に秋田県を加えた位)に対し人口が6万人しかいません。1つの市と15のソムからなっており、ソムレベルの医師は研修を受けることが非常に難しいのが実情です。当プロジェクトでは2017年1月に県総合病院の医師らに対し小児一次救命処置の技術指導を行いました。2月には1月に研修を受けた医師の一部が講師となって一次医療施設の医療従事者に対し研修を行いました。実習用機材が揃っていないこともあり講義中心でしたが、今後は県総合病院の医師の指導により、実習モデルを活用した密度の濃い研修を実施していく予定です。
同じ日にチーフアドバイザーが院内感染対策に関する講義を行いました。県総合病院の医師のほかソム病院の医師も受講しました。今後は県総合病院の医師が主になって県内の病院の院内感染対策を向上させるよう努力することが期待されています。今回の講義を含めて感染症の講義をビデオ教材として作成し、テレメディスンを使用してモンゴル全土の県に放映することも企画しています。

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県総合病院医師の指導による小児一次救命処置の研修

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院内感染対策の講義