臨床研修指定病院評価の技術指導

2017年5月30日

現在モンゴル国の医師は、医科大学卒業後2年間一次または二次医療施設で勤務することが義務付けられており、その後三次医療施設で専門医研修を受けます(レジデント研修)。ここで初めて研修プログラムに基づいて、指導医のもとで2年間の研修を受けます。レジデント研修を実施できる病院はウランバートル市にある17病院(臨床研修指定病院)に限られています。

臨床研修指定病院における卒後研修を評価し、改善すべき点について指導することは研修の質を向上させるために重要なことです。モンゴル国では数年前より評価シートに基づいて評価を実施してきました。しかし、評価シートの内容や評価方法が未熟であり、改善する必要に迫られていました。上述のような背景のもとに、国立国際医療研究センターより松原専門家が派遣されました(2017年5月15日〜31日)。

松原専門家派遣前に「臨床研修指定病院評価改善ワーキンググルーブ」が結成され、技術指導に臨みました。松原専門家とワーキンググループメンバーは日本の評価シートを参考にしつつ協議を重ねて改善シートのドラフトを作成しました。評価シートは6つの大項目((1)管理体制、(2)施設・機材・設備、(3)研修医の採用・修了・処遇、(4)研修プログラム実施状況、(5)指導体制・指導医の能力、(6)研修医の評価)を骨子とし、各大項目のもとに中項目、小項目、評価指標が設定されています。技術指導最終日には17病院の研修管理者を集めて総括ワークショップを開催しました。今後、さらに評価シート改善作業を進め、今年の秋には新しいシートに基づいて臨床研修指定病院評価を行います。

数年前よりモンゴル国保健省は、医師卒後研修制度改善と質の向上に取り組んでおり、当プロジェクトではそれらを支援しています。今回の技術指導はそれらの重要な部分を担っており、モンゴル側も熱意をもって取り組みました。

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松原専門家の指導で開催したワークショップ