卒後臨床研修プログラムの評価が実施されました!

2018年1月15日

2018年1月11日、12日と国立感染症病院、国立第三病院において、卒後臨床研修プログラムの評価が実施されました。

今回の評価は、2017年5月に開始され、同年10月に活動を終了した研修病院評価ワーキンググループの成果物である、研修プログラム評価ツールを用いた評価です(10月30日プロジェクトニュース参照)。研修プログラムの評価は、プロジェクト目標の指標の一つに挙げられており、今年度中に開発された評価ツールを用い、2施設で評価を実施することが目標となっていました。

評価は、保健開発センターの担当官と複数の研修病院(国立がんセンター、国立母子保健センターなど)の研修担当者が協力して実施しました。まず各病院の病院長と研修担当者に対し、評価の目的、評価内容について説明し(図1)、続けて研修に関する資料(研修規約や研修カリキュラムなど)を確認しました(図2)。その後病院内を視察し、研修環境(図書館やインターネットアクセス、研修医の休憩室や更衣室)を確認し、午後は複数の指導医や研修医と個別に面談し、研修の実施状況の実際、研修に対する要望について双方からヒアリングを行いました(図3、4)。最後に評価者が全員集まってまとめを行い、病院の代表と研修担当者に対し、良い点と改善すべき点を提示しました(図5)。その全てが作成された評価ツールに基づき、ほぼ1日かけて実施されました。

担当者から、「この評価は、皆さんの研修プログラムがより良いプログラムになるための提案です」と病院の代表者に説明されていましたが、以前の研修病院評価で行われていた基準の曖昧な点数だけの評価ではなく、明確な基準を用い、改善すべきところを具体的に提案することができ、評価される側からも感謝の意が述べられていました。

今後は評価を実施する評価者を増やし、定期的にかつ質が担保された研修プログラムの評価が実施できるようになること、改善の提案が実際にどのように研修プログラムの改善に貢献したかフォローアップすること、また評価ツールそのものも必要に応じて改善できる仕組みを作っていくことも検討しています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.国立第三病院の病院長(図左端)や研修担当たちに対し、評価の目的を説明する評価チーム(図右側)

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図2.研修に関する資料を評価チームで手分けして確認(国立第三病院)

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図3.研修医から個別にヒアリング(国立感染症病院)

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図4.研修指導医達からも個別にヒアリング(国立感染症病院)

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図5.院長たちに評価結果を伝え、改善に向けて具体的方策を提案(国立第三病院)