総合診療医育成のためのカリキュラム開発セミナーが実施されました!

2018年2月2日

2018年1月30、31日、総合診療医育成のためのカリキュラム開発セミナーが開催されました。保健省(MOH)、保健開発センター(CHD)、国立モンゴル医科大学の協力を得て、構想から半年ほどの準備期間を経て実施できました。

保健省Gantsetseg事務次官代理、JICAモンゴル事務所佐藤睦所長の挨拶から始まった今回のセミナーには、日本から4名の医学教育の専門家が来蒙くださり、MOH、CHD、モンゴル医科大学、ウランバートル市内の研修病院(3次病院)、地区病院(2次病院)、またモデル県(オルホン県、ボルガン県)やドルノド県の病院から、合計32名の参加者が集まりました(最終的にはオブザーバーが20名近く参加し、50名以上が参加しました)(図1)。

このセミナーには、1)カリキュラム開発の世界的潮流にならい、モンゴルが考える総合診療医のコンピテンシーに基づくカリキュラムを作成する、2)異なる組織の医師たちが、モンゴルの地方を支える総合診療医を育てるカリキュラムを開発するという共通の目的を持って作業する、3)日本モンゴル教育病院における技術協力プロジェクトと連携する、という3つの大きな特徴がありました。

異なる組織の医師たちは、カリキュラム作成の世界的潮流や研修医指導の実際などに関する講義の後、内科、小児科、産婦人科、外科・救急科の4班に分かれて、研修目標の設定、研修方法の選択などについて、事前に考えられていた6つのコアコンピテンシーをもとに、日本人専門家から指導を受けつつ、グループ討議を行いました(図2~5)。また日モ教育病院における技術協力プロジェクトから、リーダーである苛原稔先生に日モ教育病院で予定されている臨床研修などについて講演していただき(図6)、またモンゴル医科大学Sumberzul副学長から、卒前教育の現状について講演をいただきました。

参加者たちからは、カリキュラム作成に対する理解が深まった、ウランバートルや地方の人が共通の課題を解決するために話し合うことができて良かった、といった前向きの意見が多く寄せられました。今回作成されたカリキュラムの素案をもとに、プロジェクトでは標準化された総合診療医育成カリキュラムの完成を目指し、各関係機関と連携をしながら活動を続けたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

【画像】図1.参加者一同と記念撮影

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図2.小児科班の議論(鈴木康之先生がファシリテート)

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図3.産婦人科班の議論(大西弘高先生がファシリテート)

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図4.外科・救急科班の議論(高村昭輝先生がファシリテート)

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図5.内科班の議論(赤池雅史先生がファシリテート)

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図6.苛原稔先生による講演