モンゴル人医師による高度救命診療(Advanced Assessment and Life Support)インストラクター研修が実施されました

2018年7月29日

7月28日、モンゴル人医師の指導のもとAALSインストラクター研修が開催されました。本研修は、AALS研修の指導者を育てる研修ですが、講師をモンゴル人医師が務めるのは、今回が初めてです。

インストラクター研修は、AALS研修の開発に関わってきた日本人短期専門家たちにより過去2回開催され、16名のモンゴル人インストラクターが育成されています。今回は、育成されたモンゴル人インストラクターの中から4名が講師となり、新たにインストラクターになることを希望した8名の受講者の指導に当たりました(図1)。

講師のモンゴル人医師たちは、初めてのAALSインストラクター研修の指導であったこともあり、前日より資料を片手に繰り返し練習していました。また研修当日も、AALS研修の開発やインストラクターの育成に短期専門家として支援してこられた藤田先生(旭川医科大学救急医学講座教授)にアドバイスを受けながら研修に備えました(図2)。研修の開始前には緊張が見られた講師の先生たちも(図3)、研修中は、受講生へのフィードバックのかけ方や学習者中心の研修指導の方法などについて、具体的に自分たちの言葉を用いて指導し、また受講生たちとも活発に議論を交わしていました。そして研修終了後には充実した笑顔を見せていました(図4)。藤田先生からは、インストラクター研修の内容に全く問題がなかったこと、そして今後さらにモンゴルの医師たちの力で本研修を広めていくよう、励ましの言葉もいただきました。

AALS研修は、すでにモンゴル側で予算を確保し、モンゴルの医師たちだけで質を担保した研修が実施できるようになっています。今回、モンゴルの医師たちの力でインストラクターも育成することができました。今後は計画的にインストラクターを育成し、AALS研修をさらに国内に普及させていくことが期待されます。プロジェクトでは、モンゴル人によるモンゴル人のためのAALS研修としてモンゴルに定着するよう、引き続き支援していきます。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明
業務調整員 野崎保

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図1.受講者に指導を行う講師

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図2.短期専門家(藤田先生、左から2人目)からアドバイスを受けるモンゴル人講師たち

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図3.研修前の挨拶で緊張した様子の講師陣(左側4名が講師たち)

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図4.研修を修了し充実した様子の4名の講師陣(受講生をはさんで藤田先生)