モンゴルの医師により開発された公式BLSコースが初めて開催されました

2018年8月31日

2018年8月31日、モンゴル救急医学会の医師たちが中心になって開発した一次救命処置研修(Basic Life Support:BLS)が、正式に国の承認を受けた継続研修として、初めて開催されました。

本プロジェクトでは、モンゴルの卒後臨床研修制度を整備していますが、特に地域で診療する医療者を対象にした救急医療に関する研修は、重点課題の一つです。プロジェクトでは、モンゴル救急医学会の医師たちと構想を練り、特別な器具を用いずに心肺停止状態の患者に対する初期対応法を学ぶ、BLS研修の教材開発やパイロット研修の実施などにおいて、技術指導をしてきました(プロジェクトニュース2018年2月13日、7月29日、8月3日を参照)。

今年7月に実施されたパイロット研修での反省を活かして改善された今回のBLS研修では、講義の時間を極力減らし、現場で必要とされる手技を正しく実施することができるように、参加者がより多くの時間を実技練習に割くよう配慮されました。そして、研修内容は事前に保健開発センターに申請され、正式に承認を受けることで、受講生が医師免許の更新に必要な単位を取得できる、継続研修とすることができました。

今回は、ウランバートルで救急医療を学ぶ医師たちを主な対象に実施されました。教材開発から研修の準備、研修の指導など、その全てにおいてプロジェクトは求められたアドバイスはしたものの、モンゴルの救急医たちが自分たちで工夫して実施しました。まさに、モンゴルの医師による、モンゴルの人たちの為の研修が実現できました。

このBLSの内容は、特に地域の医療者が学ぶべき救急医療の基本中の基本です。プロジェクトでは、今後全ての医療者の必須研修になるよう、継続して支援していきたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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研修開発者の紹介

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実技練習の様子。受講生同士で手技を確認している。