オルホン県地域診断治療センターにおいて、指導医能力向上研修が実施されました

2018年9月13日

2018年9月13日、プロジェクトのモデル県であるオルホン県の地域診断治療センター(RDTC)において、指導医の能力向上を目的とした研修を実施しました。

本プロジェクトのモデル県であるオルホン県の地域診断治療センター(RDTC)では、今年の10月より、必修化された医師の卒後臨床研修(総合診療研修)が、モンゴルで初めて開始される予定です。今回は、指導医たちの指導能力の向上を目的に、ケースカンファレンスについて学ぶ機会を設けました。

今回の研修は、日本の地域における医療人材育成の仕事をしておられる齋藤学先生(ゲネプロ代表)と長崎県上五島で研修を受けている室原誉怜先生が来てくださり、日本の臨床の現場で行われているケースカンファレンスを、ロールプレイを通して紹介してくださいました(図1)。またケースカンファレンスの意義や効果的にカンファレンスを開催するポイントなどを、井上CAから解説しました。

研修に参加した指導医達は、お互いの専門科を超えてディスカッションしました(図2)。実際のカンファレンスのようにお互いに学び合う雰囲気が醸成され、研修医育成に向け、指導医の気持ちが一つになっていることが感じられました(図3)。なお、今回の研修は10月から始まる総合診療研修のために新設された研修ルームを利用する、初めての研修にもなりました。

また、これに先立ち、オルホン県RDTCと協力して研修を提供する、病院群の施設を視察しました。日本式医療を提供しているMedipas病院では、主に外来研修が計画されています。またMendtsetsen家庭医療センターやJargalant村保健センターでは、地域医療を学ぶことが計画されています(図4)。このように、それぞれ周辺の様々な特徴のある病院とグループを作って研修環境を提供することで、研修医が様々な側面から地域の医療を学ぶことができるよう計画されています。

総合診療研修が開始されるまで、あとわずかです。本プロジェクトでは、さらに必要な支援を続けていきます。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.ケースカンファレンスを実演している風景

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図2.科を超えて指導医達がディスカッションしている様子

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図3.参加者一同での集合写真

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図4.Jargalant村保健センターにて