オルホン県地域診断治療センターにおいて、モンゴル初の卒後臨床研修(総合診療研修)が始まりました

2018年10月22日

2018年10月22日、プロジェクトが開始した時から支援を続けてきたルホン県地域診断治療センター(RDTC)において、モンゴルで初めてとなる卒後臨床研修(総合診療研修)が開始されました。

地域で活躍できる医療人材の育成を通してモンゴルの地域の医療の質を改善することが、本プロジェクトの目標です。その目標を実現するため、地域において幅広い臨床能力と高い倫理観を持つ医師を育てること、そのような医師の育成に必要となる研修カリキュラムの開発や指導医の育成、また特に地域における研修プログラムの実施を支援することが、プロジェクトの重要な活動となっています。

10月18日、モンゴル国保健省医療従事者開発委員会において、オルホン県RDTCが正式に研修病院として承認されたことを受け、22日より総合診療研修を開始することができるようになりました。研修のオープニングセレモニーでは、プロジェクトの主たる推進者である保健省行政管理局Tsogtobaatar局長やTuushinjargalオルホン県副知事など、多くの来賓の方を迎え、4名の研修医の門出を祝いました(図1-3)。

研修医たちは、セレモニーの後早速研修オリテンテーションに参加していました(図4)。このオリエンテーションでは、研修カリキュラムの概要の説明だけでなく、コミュニケーションスキル、医療安全に必要な手洗い方法、文献検索の仕方などなど、医師としての基本を学びますが、これらは本邦研修にオルホン県RDTCから参加した指導医達が学んできた内容を反映させた構成になっています。

総合診療研修では、研修医たちは内科、小児科、産婦人科、救急・外科などの診療科を1年間かけてローテートし、その診療科の基本を学ぶことで医師としての基盤を築くことになります。今後、モンゴル各地で必要とされる医師を育成するため、オルホン県RDTCでの研修が、モンゴルの各地で実施される総合診療研修のモデルとなる必要を感じています。そのためにも、プロジェクトでは継続して活動していきたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.参加者一同。前列右から3番目がBatskuh院長、4番目が保健省Tsogtobaatar局長

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図2.左から4名が新人研修医。研修開始の記念品と花の贈呈。

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図3.メディアの取材を受ける井上CA

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図4.オリエンテーションの話を聞く研修医(前列4名)