臨床研修カリキュラムの改定に関するセミナーが開催されました

2018年11月17日

2018年11月16日、専門診療科の臨床研修で用いられるカリキュラムの改定に関するセミナーが、様々な専門診療科の研修指導責任者を対象に、保健省内の会議室にて開催されました。

プロジェクトでは、総合診療医育成のためのカリキュラムの開発を支援しました。このカリキュラムは、モンゴルの社会が必要と考える医師の能力の獲得を目指したカリキュラム(コンピテンシー基盤型カリキュラム)であり、国の標準カリキュラムとして保健省の承認を得ています。

カリキュラムの改定は、大臣令に規定されていることに基づいて実施されようとしています。セミナーではまず、保健省の専門家や保健開発センターの部長から、改定の目的などが説明されました。続いて、短期専門家として来モ中の国立国際医療研究センター病院医療教育部門 村岡 亮医師により、日本の卒後臨床研修のカリキュラム改定の仕組みを解説いただきました(図1)。村岡医師は、日本の卒後臨床研修制度の制度作りにも関わられた専門家であり、非常に貴重な情報を提供していただきました。プロジェクトからは、総合診療医育成のためのカリキュラムを開発したステップを、根拠となる文献などを提示しつつ解説しました。

60名ほどの参加者たちは、その後グループに分かれ、どのように専門診療科のカリキュラム改定を進めていくべきか議論しました。最後に各グループから議論の内容が発表されましたが(図2)、より良いカリキュラムに改定するために、自分たちの方針だけでなく、保健省への要望も出され、今後取り組むべき課題が見えてきました。

プロジェクトでは、今後保健省、保健開発センターとともに、各専門診療科におけるカリキュラムをモンゴルの実情に合わせつつ、世界標準のカリキュラムとすることができるよう、技術面での支援を続けたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.セミナーにおいて講演されている村岡医師

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図2.グループの協議内容を発表する参加者たち