日本とモンゴルの看護師による、看護教育に関するセミナーが開催されました

2019年1月22日

2019年1月21日、モンゴル保健省にて、日本の国立国際医療研究センター国際医療協力局から派遣された五十嵐看護師とウランバートル市内の看護教育関係者が集い、両国間の看護教育の現状を共有するセミナーが開催されました。

本プロジェクトでは、日本の医師を育成するシステムを参考に、特にモンゴルの地域において医師を育成するために必要とされる技術支援を行ってきました。プロジェクトが進むにつれて、技術支援の対象を看護師にも広めることを検討する必要が出てきました。五十嵐看護師は、日本の厚生労働省やベトナムにおける看護師教育に関するプロジェクトの専門家として活動されたこともある、経験豊富な方です。今回は国際医療研究センター国際医療協力局の支援を得て、1月15日からモンゴルにおける看護師教育の現状を調査しており、その一環で今回のセミナーを開催しました。

セミナーには、30人近い参加者がありました。まず五十嵐看護師から日本の現状が紹介されました。新人看護師が育成されていく過程で、国が定めている仕組みの中で、どのように育っていくのか、具体的事例も交えながら解説されました。続けてモンゴル医科大学の看護教育担当者から、モンゴルの現状や課題が共有され、参加者による協議の時間が設けられました。

モンゴルが現在看護師のキャリア形成において抱えている課題、例えば離職率の高さや増えつつある高齢者に対する看護などは、日本においても課題です。その課題を解決するために、日本では様々な取り組みが行われています。セミナーでは、限られた時間でしたが日本の取り組みを共有していただきました。参加者からは日本の知見に対する質問が複数あり、興味を持っていただけたことを実感しました。

今回の五十嵐看護師の派遣は、調査が中心です。今後、この調査内容を分析し、プロジェクトとしてモンゴルにおける看護師教育にどのように貢献することができるか、検討したいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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日本における看護教育の仕組みについて説明する五十嵐看護師(左から2人目)