チンギルテイ地区病院における総合診療研修の実施に対する支援活動を開始しました

2019年4月10日

2019年3月7日に開催されたプロジェクトのJoint Coordination Committeeにおいて、オルホン県地域診断治療センター(Regional Diagnostic and Treatment Center:RDTC)と合わせ、ウランバートル市内にあるチンギルテイ地区病院も、プロジェクトのモデル施設に加えることが決定されました。そこで、今後円滑に活動を進めていくことができるように、4月8-10日に両病院の研修部スタッフが、情報を共有する機会を持ちました。

チンギルテイ地区病院は、オルホン県RDTCとともに、2018年10月から総合診療研修が開始された施設です。すでに研修医たちが研修を開始していますが、これまで双方の施設が研修に関する情報を共有する機会は限られていました。そこで、今回チンギルテイ地区病院の研修部スタッフ2名がオルホン県RDTCを訪問し、総合診療研修の管理やカンファレンスの実施法などについて学ぶ機会を設けました。

2名のスタッフは、まずオルホン県RDTCのBatsukh院長を表敬訪問したのち、オルホン県RDTCの研修部スタッフや研修医たちから研修管理に必要となる書類について説明を受けました(図1)。また研修医の各ローテーション先を訪問し、カンファレンスにも参加し、具体的に現場でどのような指導が行われているか視察しました。またオルホン県RDTCの研修管理委員会にも出席し、総合診療研修の管理組織の役割に関し、具体的な取り組みを学びました。

今回の視察の最後には、チンギルテイ地区病院の研修部長であるJavkhaa先生より、今後の取り組みについて行動計画が述べられました(図2)。今後の活動方針を言語化し、かつ関係者が見える形にしたことで、より具体的に協力体制を築いていくことが期待されます。今後、さらに総合診療研修を実施する病院がモンゴル国内に増えていくことも期待されています。これら先駆的施設が、今後モンゴルにおける総合診療研修のモデル施設としての役割を果たしていくことができるよう、プロジェクトも技術支援を続けていきたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.オルホン県RDTCの研修部スタッフ及び研修医から、研修管理に必要な書類や研修医手帳の使用方法などについて説明を受けました。

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図2.チンギルテイ地区病院研修部Javkhaa部長より、オルホン県RDTCの第四回研修管理委員会にて、今後の活動計画が共有されました。