研修病院を評価する評価者育成研修を開催しました

2019年5月24日

プロジェクトでは、2年前から臨床研修病院を評価するための標準化された評価基準の開発に取り組んできましたが、今年4月に正式な評価ツールとして承認を得ました(プロジェクトニュース2019年4月20日参照)。5月24日、この評価ツールを用いて評価を実施する評価者育成研修を実施しました。

研修病院の評価には、実際には研修に適した環境であるか、研修医が十分に学ぶことできる症例が確保できているか、また指導体制が確立されているか、など複数の視点から確認を行います。書面上の評価、施設の視察だけでなく、指導医や研修医の面接も含まれており、効果的に評価を実施できるようになるためには、訓練が必要です。プロジェクトでは、評価ツールの開発と合わせ、評価者が参照できる評価マニュアルも合わせて開発していますが、この研修ではより具体的に評価方法を学ぶことで、評価者が変わってもある程度均一な評価が実施できるようになることを目的としています。

研修では、過去に日本人専門家たちと評価ツールの開発に取り組み、また実際に研修病院の評価を実施している保健開発センターのスタッフたちから、評価ツールの概要、評価項目の意味や具体的な評価手法について説明がありました(図1)。また研修病院に出向き、指導医や研修医に模擬面接を実施させていただき、効果的に情報を収集するための質問の仕方などを学びました。

研修を受けた参加者たちは、研修病院が適切に評価され、研修プログラムが改善することが、モンゴルの医療の質の向上につながることから、評価を実施していくことに責任を感じたようです。実際に現場で評価できるようになるために、続けて研修病院の評価にも同行し、実地訓練を積んでいただく予定です。プロジェクトでも開発した評価ツールが適切に運用され、確実に研修プログラムの改善につながるよう、支援を続けていきたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1.実際に研修病院の評価を実施している担当官より、評価ツールの内容について説明されました