総合診療研修の修了式が行われました

2019年9月13日

昨年10月から開始された総合診療研修の修了式が、9月13日ウランバートルで行われました。

モンゴルでは、地域の医療人材不足が課題となっていたため、2015年以来、プロジェクトはモンゴル保健省、保健開発センターの協力を得て、地域で医師を育成することを目指して活動してきました。その結果、2018年10月から、オルホン県地域診断治療センター、またウランバートルのチンギルテイ地区病院で、モンゴルで初めてとなる総合診療研修(1年間をかけて内科、小児科、産婦人科、救急科などをローテーションし、地域で役立つ診療能力を身につける研修)を開始することができました。この総合診療研修の1期生として、オルホン県では4名、チンギルテイ地区病院では15名の研修医が研修に参加していました。

研修終了に先立ち、各病院では研修医の1年間の研修内容を振り返り、問題なく研修を修了できることを確認しました。また研修修了試験も実施され、無事19名全員が研修修了の認定を受けることができました。

修了式では、保健省のOyunkhand局長から、モンゴルの地域で役立つ人材を育成する初めての研修が無事終了し、当初の目標が達成できたことに対して、JICAをはじめ関係者への感謝の言葉と、今後さらに同様の研修が国内各地で実施されることに対する期待の言葉が述べられました。また、19名を代表してチンギルテイ地区病院の研修医から、1年間を通して指導してくれた指導医への感謝の言葉と、これからモンゴルの地域の医療に貢献する意気込みが語られました。

今後、このまま地域に残って診療する医師、さらに専門分野の能力を磨くために専門研修に進む医師など、卒業生たちは別々の道を歩んでいくことになります。でもこの1年間で学んだ知識や技術、また医師としての心構えは、これからの医師としての人生の礎となることは間違いありません。その貴重な学びを共にした同僚たちと共に、将来のモンゴルの地域の医療に貢献する人材となっていかれることを期待しています。また、モンゴルでは今後少しずつ総合診療研修を提供する病院が増えていく予定です。さらに多くの医師を地域で育成し、モンゴルの地域の医療が今よりももっと良くなることを目指し、保健省・保健開発センターと共にプロジェクトも活動を続けたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

【画像】保健省・保健開発センターの研修関係者、両病院の院長や研修部スタッフ、卒業生一同

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オルホン県地域診断治療センターの院長、研修部スタッフ、研修医たちと

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保健省での協議を終えて