看護師の指導者養成研修の開発をテーマに本邦研修が実施されました

2019年11月21日

11月7日から19日にかけ、看護師の指導者養成研修の開発をテーマに本邦研修が実施されました。

プロジェクトでは、本年3月から看護師も活動の対象に加えましたが、必要とされる技術指導のうち、特に優先度の高い指導者の育成に取り組むことになっています。そのため、保健大臣令のもとワーキンググループが6月に結成され、今年12月のパイロット研修の実施に向けて活動を続けています。

今回の本邦研修には、このワーキンググループのメンバー7名が参加しました。2週間の研修期間中、国(厚生労働省)や都道府県などの自治体、また日本看護協会や都道府県看護協会といった職能団体が、どのような制度のもと新人看護師育成を推進しており、成果が上がっているのか、それを受けて病院内では実際にどのような研修が実施されているのかについて、講師から講義を受けたり、指導現場を視察したりして学びました。また効果的な新人看護師の指導手法について、教育を専門とする大学の講師から教えを受ける機会もありました。

本邦研修の最後に、参加者たちが研修で学んだことをまとめ、今後の行動計画を作成して発表しました。直近では約1か月後に予定されている、モンゴルで初めてとなる看護師の指導者養成研修を成功させるための活動を挙げていましたが、合わせてこの研修を継続して実施していくために必要な、制度づくりや予算確保における省庁の役割についても言及されていました。

保健省から参加したTsogtbaatar局長は、今回の研修を準備してくださった国際医療研究センター国際医療協力局の深谷専門家への感謝の言葉と合わせ、「1000回聞くよりも1回見る方が理解が深まる」というモンゴルのことわざを用い、今回日本の看護師教育の様子を見たことで、看護師教育に対する認識が大きく変わったことをコメントされていました。そして今後、さらにモンゴルの看護師の能力向上に貢献する決意を述べておられました。

2020年は、国際看護師・助産師の年でもあります。その記念すべき年に、看護師向け指導者養成研修が実施され、看護師教育の質向上、ひいては看護師の能力向上につながることができれば、本当に素晴らしいことだと思います。プロジェクトでは、引き続きワーキンググループのメンバーと連携し、看護師の指導者養成研修が成功するよう支援します。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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看護師指導者たちと新人看護師から、実際の指導の様子をヒアリングする機会もありました

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研修の成果と今後の行動計画について発表するBayarkhuu担当官(モンゴル保健開発センター)

【画像】研修終了後の集合写真