モンゴルで初めての看護師のための指導者養成研修が実施されました

2019年12月19日

12月18日から3日間、モンゴルで初めてとなる看護師向け指導者養成研修(TOT研修)が実施されました。これは2018年10月、保健大臣令によりJICAプロジェクトに対して開発が指示されていたものです。これを実現させるため、2019年6月以降、大臣令により設置されたWGのメンバーが、深谷専門家の技術指導のもと開発してきました。今回はパイロット版として実施しましたが、ウランバートル市内の病院の看護管理職だけでなく、オルホン県など地方の病院の看護管理職の方達が参加されました。

12月18日、保健省で行われた開会式では、Amarjargal保健省事務次官が挨拶に立ち、モンゴル保健省としても看護人材育成に力を入れていること、また今回の研修により育成された看護師の指導者が、新人看護師を育成する重要な役割を担っていくことに対する期待の言葉が述べられました。またJICAモンゴル事務所の吉村次長が挨拶され、日本の知見がモンゴルの看護人材育成に活用されることへの期待、また続けてJICAとしてモンゴルの医療人材育成に貢献していく意向が語られました。

続けて開始された看護師TOT研修では、WGのメンバーがファシリテーターとして研修の講義やグループワークの指導を行いました。この日のためにメンバーは忙しい日々の業務の合間を縫って、半年かけて準備してきました。初めは緊張した面持ちであったファシリテーターたちですが、事前に繰り返し練習してきたこともあり、本番では笑顔を見せ、参加者の笑いを誘う余裕も見られました。

看護師の指導者を育成することにより、これまで医師が看護師を指導することが多かったモンゴルにおいて、看護師が看護師を指導することが可能になります。これは看護師の能力向上だけでなく、看護職に対する意欲の向上、ひいては看護職の地位向上にも繋がることが期待されます。

今回はパイロット版として実施されましたが、今後継続して実施していくためには、まだ解決しなければいけない課題があります。プロジェクトではこれらの課題をモンゴル保健省・保健開発センターの担当者と協力して解決し、看護師TOT研修がモンゴルにおける看護人材育成に貢献できるよう、支援を続けたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

【画像】開会式後の全体集合写真

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ファシリテーターたちの自己紹介

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TV局のインタビューを受ける深谷専門家

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アイスブレイクの一コマ(自分の過去の思い出深い経験を参加者同士で共有)