総合診療研修で習得すべき手技を学ぶ動画教材が完成しました

2020年3月19日

プロジェクトのモデルサイトである、オルホン県地域診断治療センター(RDTC)では、世界の僻地で医療人材育成に取り組むゲネプロに所属している室原誉伶医師と協力し、総合診療研修の研修中に習得すべき手技を学習する動画教材の作成に取り組んでいました(プロジェクトニュース2019年6月24日参照)。

教材開発は、室原医師がオルホン県に滞在していた2019年4月から開始しました。モンゴル国内の基準(Mongolian National Standard:MNS)を主に参照して教材を作成しましたが、保健省の専門委員会のメンバーにも内容を確認し、修正を重ねてきました。撮影は、オルホン県公衆衛生局のカメラマンの協力を得て行いましたが、カメラマンたちには動画の再撮影や編集にも協力いただきました。

活動開始から10ヶ月ほど要しましたが、ようやく保健省内で承認を得ることができ、正式に総合診療研修の補助教材として活用できるようになりました(写真1)。動画にはQRコードをつけ、スマートフォンから閲覧できるように工夫していますので、今後全ての研修医が手元で手技の内容を参考にすることができるようになります(写真2)。また手技の各ステップを詳細に解説するテキストと合わせて利用することで、学習効果が高まることが期待されます(図3)。

このような動画教材は、モンゴルでは初めてのものだと聞いています。この教材を使うことで、全ての研修医が、どこにいても同じ内容のものを繰り返し学ぶことができるようになります。特に地域で学んでいる研修医には価値あるものになると考えています。より広く活用してもらえるよう、引き続き支援をしたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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写真1.作成に関わった関係機関のロゴが入ったマニュアル表紙

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写真2.各手技を説明する項目の最初にQRコードをつけ、動画にアクセスできるように工夫しました

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写真3.手技の各ステップを写真付きで解説しています