新型コロナウイルス感染症に関する研修が実施されました

2020年8月20日

2020年8月17日、19日、国立国際医療研究センターの石金正裕医師により、「COVID-19の臨床:治療指針ならびに院内感染管理」と題した、研修が行われました。

研修は、日本の国立国際医療研究センターとモンゴルの国立感染症センターを結んで行いました。モンゴル国立感染症センターは、モンゴルにおける新型コロナウイルス感染症に対する主要医療機関です。他方、国立国際医療研究センターは、日本における新型コロナウイルス感染症対策の主要機関の1つで、新型コロナウイルス感染症の患者さんに、日本で最も多く対応している施設の一つであると言っても過言ではありません。これまで、海外からチャーター便で帰国された方たちだけでなく、症状の軽い方たちから超重症患者まで、幅広く患者さんを診療しています。

今回の研修では、日本での新型コロナウイルス感染症の治療状況や感染管理の様子を共有するだけでなく、「有効性が認められている薬」から「有効ではない薬」まで、最新の情報も交えて学ぶ機会となりました。

モンゴルでは、新型コロナウイルス感染症の拡大が始まった初期から、とても強力な方針で感染症の流入を阻止し、効果をあげています。これは非常に素晴らしいことですが、結果的に感染者、特に重症感染者が増えていません。そのため、どうしても治療を経験する機会が限られてしまっています。

そのような状況でもありますので、日本の臨床の現場で、実際に多くの患者さんの診療にあたってこられた石金医師の話は、モンゴルの最前線で頑張っている先生たちに、極めて重要な情報となったようです。

参加者からは、日本でのPCR検査の使い方(特に陽性が長く続く場合の考え方)や治療を必要とする患者さんの選択基準などが役に立ったとの声が聞かれました。

今回の研修は、モンゴルにおいて感染者が増えてしまう、いざという時に活かすことが出来るものになりました。また必要に応じて同じような研修が提供できるよう、検討したいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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日本から講義をされている石金医師

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聴講する感染症センターの医師たち

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日本(国際医療研究センター)からモンゴル側を見た様子

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TVモニター越しに日本とモンゴルの参加者たちの集合写真