モンゴル国(以下、「モンゴル」)では、労働・社会保障省が社会保障行政を一元的に所管するとともに、同省の下に設置された医療・社会保険庁が、実施機関として、5つの社会保険(老齢年金保険、短期給付保険、失業保険、健康保険、労働災害保険)を管轄している。医療・社会保険庁は、21県9区すべてに地方社会保険事務所を有し、すべてのソム(村)に職員を配置する約1500名の職員を抱える組織である(2013年時点)。
モンゴルの年金制度は、1942年の社会保障局の設立、1958年の年金法の成立を経て、明文化された。当初の共産主義体制の下では、労働者は平等に年金制度に加入しており、退職後は一律の年…