看護師のファシリテーター養成研修等に向け、第1回ワーキンググループが開催されました

2021年7月28日

2021年1月に開始した本プロジェクトでは、看護師の卒後研修の強化が重要な柱のひとつです。モンゴルでは、2019年からの新型コロナウイルス感染症の最前線での看護職の対応、看護師不足等から看護師の卒後研修を平時のように実施することが難しい状況でした。現在もモンゴル国内では、1日に1,000人以上の新型コロナウイルスの感染者が発生しています。このような現状の中でも、モンゴルの保健医療の質を向上し、よりよい医療保健サービスを提供するためには、看護師の卒後研修の強化が重要です。

7月28日、看護師の卒後研修の強化のための大切な第一歩が踏み出されました。それが、第1回のワーキンググループの開催です。このワーキンググループは、現在のモンゴル国民のニーズや現場の状況を鑑みつつ、モンゴルの未来の看護のあり方とその卒後教育の指針を示すことを目指し、国内の看護に関わる重要な関係者等で構成されています。今回は、保健省や保健開発センターとワーキンググループのメンバーをオンラインで結び、看護のファシリテーター養成研修や指導者養成研修等についての準備を始めました。

開会にあたりワーキンググループのリーダーやメンバーである保健省の専門官からは、2021年はモンゴルの近代医学の100周年であること、また新型コロナウイルス感染症の影響から、新たな変化・変革へのターニングポイントでもあることが述べられました。そしてそのような変革の中、看護職の卒後研修の根幹を作るということは、看護の歴史に残る大きな一歩となるということをメンバー全員で共有し、思いを新たにしました。
参加者の中には自らも新型コロナウイルス感染の陽性者となり、病院に入院隔離中にも関わらず「声だけでも…」と参加してくださった方もいらっしゃいました。この様子にモンゴルの看護職を担う方々の強い思いを感じ、私たちプロジェクトメンバーも目頭を熱くすると共に、身の引き締まる思いでした。

新型コロナウイルス感染症が猛威をふるう中、最前線を担う看護師とともにある看護関係者の皆様のご苦労やご心労は察するに余りあると感じておりますが、ともに真に必要な看護とは何か、しっかりと見つめ、共に活動を進めてまいりたいと思います。

モンゴルにおける医師及び看護師のための卒後研修プロジェクト
専門家 池本めぐみ
専門家 菅原千賀子