復興に弾みを!施設完成第1号!—トカルパ村開発委員会事務所 引き渡し式—

2017年1月13日

本プロジェクトでは、早期の現地復興を後押しするため、震災の被害が大きかった2郡(ゴルカ郡およびシンドパルチョーク郡)の公共の建物の再建も進めています。

2016年4月10日から建設を始めた、シンドパルチョーク郡トカルパ村の村開発委員会事務所建物が7ヵ月半の工事を経て完成し、2016年12月21日にJICAから村開発委員会に本事業完成第1号として引き渡されました。

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完成した村開発委員会事務所

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完成した事務所前に集う引き渡し式参加者

2015年4月25日の地震により、村開発委員会事務所の建物は倒壊しました。そのため、現地の人々はトタンを使用した、狭く暗い仮設事務所で復興に向けた業務を行っていました。この度完成した新しい村開発委員会事務所建物は、災害に強い鉄筋コンクリート構造1階建てで、事務作業スペースやセミナー室が設置され、車いすでも入館できるようスロープやトイレが整備されています。ネパールでは、震災後に公共施設を建設する場合、非常時の電源確保のため、ソーラーエネルギーの導入が定められました。再建したトカルパ村の村開発委員会事務所建物にもソーラーパネルが設置され、ネパールの公共施設再建の好事例となりました。

引き渡し式はトカルパ村開発委員会が主催し、ゴルカ郡開発委員会、地元警察、女性グループ、農家グループ、JICA事務所、JICAプロジェクトチーム、施工業者など、様々な方面から70名が参加しました。村開発委員会から、プロジェクト関係者へ感謝の意を込めて、ネパールの伝統的なダカトピという帽子がプレゼントされました。そのダカトピをかぶり、ネパールと日本の国家を歌い、建物の末永い使用を祈願して建物の鍵が渡された時には、会場が一体となりネパールと日本の友好を改めて確認できた瞬間となりました。

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村開発委員会からプロジェクト関係者にタカトピが贈呈された。

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事務所完成のテープカットの瞬間。

トカルパ村では、優先緊急復興事業の一環として、生計の向上の支援として、農家へメイズや野菜の栽培トレーニングを行っております。式では、トレーニング参加者からもスピーチがあり、新たな品種の導入や、既存の方法と異なる栽培管理方法を学べて、収量が50%もアップしたことが報告されました。会場にはトレーニングの成果物であるメイズや野菜が展示され、農家の女性達は今後より生産量を増やし、安全で質の良い作物を育てることに非常に意欲を示していました。カトマンズからはるばる来た式の参加者にぜひ食べてほしいと、式の後に女性たちが栽培したメイズを使用した、ディドという料理が伝統的な葉で作られたお皿で振る舞われました。

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野菜栽培に従事する村の女性たち

村開発委員会建物の再建がきっかけとなり、トカルパ村が地震から早期に復旧・復興することを願っています。

以上