教科書執筆開始とESMATE訪問

2017年6月13日

3月に実施した診断調査の結果を受け、プロジェクトでは生徒や教員の実態に合わせた使いやすい教材を作成するため、これまで作成してきた年間指導計画・単元指導計画を大幅に見直しました。具体的には全学年を通して、教える内容を精査し、教える順番などを考慮して、学年を超えた単元・指導内容の入れ替えを行いました。また各授業の評価問題も、シンプルで分かりやすいamigable(フレンドリー)なものに修正しました。
年間指導計画・単元指導計画の改訂と同時に、診断調査後に協議した教材執筆戦略(授業中に15〜20分間の自力解決の時間を設ける、簡単な数字を使う、など)に基づき、教科書・指導書のモデルページを作成しました。そしてセマナサンタ(イースター休暇)明けに、いよいよ教科書執筆がスタートしました。
プロジェクトで協議した教材執筆戦略は4月27日に開催された第一回合同調整委員会(JCC)で今後の活動計画とともに承認されました。またプロジェクトの略称もNICAMATEと決定しました。

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第一回JCC

NICAMATEはエルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラの数学プロジェクトとともに、「中米広域算数・数学教育協力」の一部を構成しています。教材開発で先行するエルサルバドル国「初中等教育算数・数学指導力向上プロジェクト(ESMATE)」における教材執筆や開発した教材の試用(バリデーション)の経験を共有していただくため、6月4日から6日にかけて、NICAMATEのカウンターパート(C/P)5名がエルサルバドルを訪問しました。

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ESMATE and NICAMATE

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バリデーション授業参観

エルサルバドルではESMATEの活動の充実ぶりに圧倒されました。NICAMATEが作成した教科書の原稿を題材にしたディスカッションでは、ESMATEのC/Pから、試行錯誤しながら教科書執筆を続けてきた人だからこそできる有益なアドバイスを沢山いただきました。バリデーションで現地の教員が実施した授業は、教材を使いこなした素晴らしいもので、今回の視察の中で特に印象に残りました。NICAMATEのC/Pは何のためにバリデーションを実施するかをより深く理解し、その重要性を学んだようです。ESMATE訪問は、NICAMATEの活動がより良い方向に向かう大きなきっかけになるものと確信しています。