2016年4月の活動

2016年4月30日

2016年4月9日〜14日、及び4月19日〜21日の2回に分け、パイロット州を始めとする、各州水公社(以下、SWC)への訪問と協議・プロジェクトの説明等を行いました。前半では、北コルドファン州・白ナイル州・センナール州・ゲダレフ州・エルゲジーラ州・カッサラ州を訪問し、後半ではナイル州と北部州を訪問しました。中でも、今回の訪問を通して取り上げたいのは、北コルドファン州とナイル州の取り組みです。本プロジェクトの成果にはパイロット州のみならずその他州の良好な成果や取り組みを広く全州に共有することが求められており、今後も定期的な巡回指導で優良事例を発掘したいと思っています。

北コルドファン州の取り組み

北コルドファン州は、2015年9月まで実施されてきた「水供給人材育成プロジェクト・フェーズ2」において優秀な成績・成果を残している州であり、プロジェクト終了後の取り組みについてヒアリングを行いました。この州は人材育成プロジェクト終了後も研修を継続しており、研修生並びに研修コースの増加が見込まれています。この背景としては、研修センター長の強いリーダーシップの他、SWCの総裁、関係省庁、州政府との良好なネットワークが構築され、コミュニケーションが取れていることがあります。さらに、大きな成果として、研修センター独自の予算を州政府から確保したことです。今までSWCの予算の中から割り当てられていましたが、協議を続けた結果、独立した予算が承認されました。運営資金に関しては、商品の製造・販売など新たな取り組みも考えており、更なる発展が期待できます。

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研修センター長・上村専門家・公共事業大臣

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JICA供与のPC

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研修センター外観

ナイル州の取り組み

ナイル州では、上記人材育成プロジェクトのフェーズ1において、初期に研修を受けた研修生が現在は総裁としてSWCの運営を担っています。ナイル州においても、プロジェクト終了後から現状までのヒアリングと本プロジェクトでの取り組みについて説明しました。特に印象的なことは、この州水公社が事務所や研修センターの修築・改善に意欲的に取り組んでおり、スタッフが働きやすい「きれいで緑のある」執務環境の改善を積極的に実施していることでした。また、この一環でコールセンターを新設し運用開始の準備をしていました。この取り組みは、本プロジェクトの成果の1つである「顧客とのコミュニケーション」に対して参考となる事例となっています。これらの背景には、政府からの予算の確保のみならず、住民からの水道料金の徴収を90%以上達成し、収入を安定させていることが挙げられます。

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プレゼンの様子

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手入れが行き届いているSWCの中庭

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新設されたコールセンター