スーダンにおける新型コロナウイルス感染症対策のための緊急支援-安全な水の供給継続に向けて水道事業体へ浄水用塩素剤を提供-

2020年7月27日

JICAは、スーダンにおける新型コロナウイルス感染症への対策として、技術協力プロジェクト「州水公社運営・維持管理能力強化プロジェクト」において、首都ハルツームのバハリ浄水場への浄水用塩素剤を現地で調達し、7月27日に引き渡しました。

バハリ浄水場は約115万人への給水能力を有する首都ハルツーム最大規模の浄水場ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により水道料金の徴収が進まず経営が悪化し、水道事業体が安全な水を配るうえで必要な浄水用塩素剤の調達が難しい状況に陥っていました。しかし、今回の支援で36トンの塩素剤が供与され、その結果、濁度が高まる雨季を含め6カ月に亘って安全な水を人々に供給することができるようになりました。

塩素剤の引き渡し式では、灌漑・水資源省飲料水・衛生局のモハメッド局長、及び財務省対外財務局のマリアム局長代理が「危機的状況にあるなかでJICAと日本の方々にご支援頂き感謝しています」「スーダン政府は、日本からの支援がスーダン国民に最大限に裨益するよう努めていきます」と述べました。

安全な水は人々が健康に生活していくうえで最も必要となるものであるだけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために手洗いをするうえでも非常に重要です。また、2019年8月に誕生したスーダン新政権が目標とする「平和と安定の定着」「経済復興と再生」の基礎となるものです。
本プロジェクトでは、スーダンにおける給水サービスの担い手である州水公社の運営維持管理能力を向上させることで、人々の安全な水へのアクセス改善に寄与します。

JICAは、今後も新型コロナウイルス対策の支援、及びスーダンにおける安全な水の持続的な供給の実現に取り組んでいきます。

【画像】

機材引き渡し証明書への署名後の記念写真撮影。左からJICAスーダン事務所高橋所長、ハルツーム州水公社投資局長イラヒム総裁、灌漑・水資源省飲料水・衛生局モハメッド総裁

【画像】

調達された塩素ガスシリンダ