ダルフールの零細企業向き研修をハルツームで実施しました!

2018年3月1日

「この道具はどうやって使うんだ?」「このデザインならダルフールでも作れるかも」
スーダンの首都・ハルツームに集まった、ダルフールで自動車修理業や溶接業を営む零細企業の親方60人は、首都の優良企業にある新しいタイプの工具や設備、製品に興味津々です。

スーダンでは、産業の97%は中小企業で成り立っており、特に個人商店のような零細企業が無数に存在しています。また、今も徒弟制度が続いており、失業しがちな若年層の労働力を吸収する大切な受け皿となっています。そんなスーダン経済を支える零細企業。しかし一方で、マネージメント力が弱く、非効率な経営体制や、徒弟制度がきちんと制度化されておらず、雇用契約書のないまま低賃金で働き続けている人も多く存在するなど、問題もそのままとなっています。

SMAPIIは州の労働局と零細企業組合と協力し、そんな零細企業の人的資源の強化を通したビジネス向上を支援しています。OJT(職場内訓練)や労働環境の改善等を通して、徒弟を含む従業員の技術やモチベーションが向上し、それが企業全体の利益向上に少しでもつながるよう、徒弟契約書の普及や職場内訓練計画策定支援、技術・ビジネス研修等々、さまざまな活動を実施してきました。その中で一番の目玉となるのがこのハルツーム研修です。

3日間の研修では、職場環境改善やリーダーシップとチームビルディングなどについての講義を受けた後、ハルツームの優良企業を訪問しました。ダルフールにいる零細企業の親方は、ほとんどハルツームの企業を訪れることはありません。また、首都と地方間で、技術力や製品の質に大きな差があるのが現状です。親方達にとっては、ハルツームの優良企業が使用している新しい型の工具や整った設備環境、またそこで作り出される製品は珍しいものばかり。写真を撮ったり、作業員に質問したり、工具の使用を体験したりと、皆真剣な表情で改善のヒントを探していました。また、その企業を成功に導いた秘訣を、時間を忘れて熱心に聞き、深くうなずく親方もいました。
ハルツームでたくさんの刺激を受け、これからどのような変化を起こすのか。その変化の後押しができるよう、これからも支援を続けていきます。

【画像】

ハルツーム研修にて新しい機械の使用法を聞く親方達

【画像】

ハルツーム研修の様子

【画像】

ハルツーム研修の様子