セミナー「防災の国際潮流と日本の経験:本プロジェクトの実施に向けて」の開催

2017年10月17日

2017年10月17日にトルクメニスタン国の首都アシガバット市において、「防災の国際潮流と日本の経験:『アシガバット市地域における地震モニタリングシステム改善プロジェクト』の実施に向けて」(“Knowledge Sharing on International Trends and Japanese Experiences of Disaster Risk Reduction" with the Implementation of the Project for Improvement of the Earthquake Monitoring System in and around the Ashgabat City)をタイトルとしたセミナーをトルクメニスタン国科学アカデミーにて開催しました。プロジェクトのカウンターパートである地震大気物理学研究所(以下、地震研)、耐震研究所、民間防衛・非常事態総局、アシガバット市、関係省庁、ドナー機関、大学(教員、生徒)、メディア等から280人を超える参加者が来場しました。
セミナーでは、科学アカデミーから開会の挨拶が述べられ、その後、在トルクメニスタン日本大使館の勝亦大使のスピーチでは、日本とトルクメニスタンの地震防災分野での協力の重要性が指摘されました。民間防衛・非常事態総局アハル地域のセルダル地域事務所長は、トルクメニスタン国の災害対応の現状について説明を行い、JICA地球環境部防災グループ防災第二チームの後藤課長は、国際的な防災の枠組みである仙台防災枠組の概要、事前の防災投資による経済被害軽減が国の発展には不可欠であることを伝えました。地震研サリエバ所長からは、トルクメニスタン国の過去の災害の甚大さについて話があり、プロジェクトの重要性が述べられました。プロジェクトの進捗報告として、プロジェクトのワーキンググループのメンバーから各ワーキンググループ(地震観測、強震観測、ハザード・リスク分析、防災行政)の概要及び進捗が説明されました。各発表後にはフロアから意見が述べられるなど活発な意見交換がされました。
本プロジェクトは、技術的な内容を多分に含むものでありますが、将来的には、防災行政、市民レベルでの防災に活用していくことが求められています。そのためには、関係機関の協力枠組みを構築することが必要であり、本セミナーがその一助になることが期待されます。

(注)トルクメニスタン国アシガバット市地域における地震モニタリングシステム改善プロジェクトは2017年7月に開始されました。このプロジェクトは、トルクメニスタン国の地震観測および地震ハザード評価にかかる能力を向上させることを目標としたものであり、将来的に地震情報やハザード評価が防災行政に活用されることが期待されています。

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JICA後藤課長によるプレゼンテーション

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地震研サリエバ所長によるプレゼンテーション