ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)では工業国化を指向して経済が急速に拡大する中、農業生産額がGDP全体に占める割合は低下しつつあるものの(1990年代の4割から2011年にはおよそ2割)、農業生産額は2000年以降およそ4倍に拡大している。また、農業従事者は地方居住者を中心に就業人口の50%近くを占めており、依然として農業は同国の最重要産業の一つである。畜産業については、生産額が年々増加し農業生産額の25%に達しており、ブタ肉は食肉生産量の75%を占めている。 ベトナムの養豚業は従来、その大半を占める零細・小規模養豚農家(山岳地域の少数民族を含む)による在来ブタとその交雑種の飼育が…