第2回蛍光In Situハイブリダイゼーション研修が行われました

2018年9月25日

9月3~23日にかけて、国立畜産研究所において、日本側研究者の指導のもとに、第2回蛍光In Situハイブリダイゼーション(FISH=Flurescence In Situ Hybridization)研修が行われました。

本プロジェクトでは、内在性レトロウイルス(PERV)フリー豚あるいは低コピー豚スクリーニングのための技術を開発しています。FISH法はその手法のひとつで、PERV遺伝子の染色体上の位置を特定することができます。リアルタイムPCR法と合わせて実施することで、より効率的な育種改良をすることに貢献することが期待できます。

今回の研修は、昨年2017年7月に実施された第1回目の研修に引き続いて実施されました。研修では、ベトナム在来豚および西洋豚由来の細胞を用いました。分裂間期と中期の細胞に対してFISH法を実施し、蛍光顕微鏡を用いてシグナルを確認しました。

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豚は19対の染色体を持っています。顕微鏡での観察時にはこれらの染色体が重なると正確なPERVの位置を特定することが難しいため、それぞれの染色体が重ならないようにする必要があります。研修生はプロトコールにしたがって、分裂中期の細胞において、19対ある染色体それぞれが観察時に重ならないように広げる技術を習得しました。(写真下)

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Metaphase spread

さらに、PERV低コピーベトナム豚と西洋豚のDNAサンプルを用いてFISH法を実施して比較を行いました。下の写真は、西洋豚の細胞を確認したものです。

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A488(probe for PERV stain)

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DAPI(nuclear stain)

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Merge

今回の研修を経て研修生は、細胞分裂間期と中期の細胞胚にFISH法を実施し、蛍光顕微鏡でシグナルを確認する技術を習得しました。

(文責:山岸信子、業務調整員)