27.カマウ省の集約的エビ養殖場を視察

2022年11月12日

ベトナムの最南端にしてメコンデルタの南西端に位置するカマウ(Ca Mau)省は、気候変動により進む海岸浸食により、海岸線沿いで粗放的に行われてきたエビ養殖場が内陸へと追いやられ、養殖面積も縮小を余儀なくされています。そのため、養殖業にたずさわる人々は、より集約的な養殖技術を必要としています。こうしたひとびとの技術習得に力を貸すのが、各省の農業農村開発局水産・養殖課スタッフの使命であり、本プロジェクトが支援する修士課程プログラムは、これら地方行政官がその最新・最適な技術を学ぶ場になります。しかし、学びの場は一方向ではありません。その良い例が、今回訪問したカマウ省でエビ養殖業を営むトゥオンさんの養魚場で、彼は、過去10年以上にわたり、様々な試行錯誤を繰り返し、ようやく商売を軌道に乗せることができました。その実践的知見は、修士課程を受講する農業局員ばかりか、わたしたち日本人専門家も、学ぶこと大であり、本プロジェクトの修士課程プログラムでは、そうした知見をフィードバックしていくことになります。ちなみに、「その10年間で気候変動を感じるか?」との石松専門家の問いに対する、トゥオンさんの答えは、「感じる。雨の降り方が変わった。以前は11月には降らなかった雨が降るようになり、しかも、晴天の日と雨天の日のメリハリがなくなり、一日の中で晴天と雨天が入り乱れ、対応に苦慮するようになった」でした。

【画像】メコンデルタの、そしてベトナムの最南端に位置するカマウ省

【画像】左から:石松専門家、カントー大学水産養殖学部のウット教授、カマウ省農業農村開発局スタッフ、3haの養殖業を営むトゥオンさん

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酸素濃度の低い水中に酸素を溶かし込む攪拌装置

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養魚場システムの説明を受ける

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孵化後4日目のバナメイエビ

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孵化後29日目のバナメイエビ

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養魚場全景