教員養成校と協力校の連携活動を広めていこう!

2019年7月24日

2016年1月にプロジェクトが開始されてから早3年半、現在は最終年の活動に入っています。
その一つとして、これまでに教員養成校とその協力校の間で行われてきた授業研究などの連携活動を、プロジェクト対象外の一般校へ広める取り組みを各地で始めています。今回はその活動を紹介します。

ケース1:参加者40名の大規模なワークショップを開催

2019年6月13日、南部州モンゼ郡チクニ地区の公立学校やコミュニティスクール15校から、約40人の教員がチャールズ・ルワンガ教員養成校の講堂に集まり、同地区で初めてプロジェクト対象外の学校との連携活動が行われました。初めはどんな研修が行われるのかよく分からず不安そうだった参加者も、教員養成校や協力校による授業研究の実施方法や授業案作成に関する講義を聞き、彼らが実施する連携活動に興味を持ち、授業改善のための取り組みについて理解を深めていきました。

6月14日、ワークショップ2日目は、前日の講義で学んだ内容を実践するべく、算数と理科のグループに分かれ、授業案や教材の作成に取り組みました。教員養成校や協力校の教員からアドバイスをもらいながら授業準備が進められ、初対面同士の参加者たちも和気あいあいと活動を楽しんでいました。その後、近隣の学校で授業と授業後の討議会が行われ、討議会では教員養成校教官がファシリテーターとなり、授業の改善点などを話し合いました。教員養成校や近隣校と一緒に協力して行う授業研究は、参加者にとって充実したものとなったようで、定期的にこのようなワークショップに参加したいと好評でした。

ケース2:アットホームな授業研究活動

7月12日、コッパーベルト州ムフリラ教員養成校と協力校の教員約30人がバスに乗り、一般の学校での授業を視察するため、郊外のブトンダ中等学校に向かいました。多くの訪問者を迎え、ブトンダ中等学校の教員も生徒も緊張している様子でした。

たくさんの参加者が見守る普段と異なる環境の中、授業を担当した教員もその生徒も真剣に授業に取り組んでおり、授業を見学した先生方から称賛されました。授業後の討議会では、教員養成校や協力校の教員から授業改善のためのアイディアがいくつか提案され、2回目のデモ授業に反映されることになりました。次回は、教員養成校と協力校の教員がブトンダ中等学校の教員と一緒に授業準備を行いながら、目指すべき「子どもの学びを中心とした授業スタイル」について実践を通して学んでいく予定です。

ケース3:3人から始める小さな連携活動

7月のムフリラ出張中に、協力校の1つであるマノ初等学校でも、プロジェクト対象外の学校との連携活動を実施しているとの情報を聞きました。急遽、プロジェクト専門家がその現場を訪れると、マノ初等学校の数学教員が、近くの学校の教員2名と一緒に授業準備をしているところでした。教員養成校だけでなく、協力校の教員もこれまでに得た知識や経験をもとに、独自にプロジェクトの成果を普及する活動を進めていることを知り、プロジェクト関係者一人一人のオーナーシップが高まっている様子を目の当たりにし、専門家として嬉しくなりました。

プロジェクト実施機関である国立科学センターは、今後も教員養成校や協力校の自発的な活動を応援、サポートしていきます。

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授業研究の進め方を説明するチャールズ・ルワンガ教員養成校のハチンブワ教官

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理科の教材を検討する参加者(プロジェクト対象外の学校の教員)

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木の実を使った算数の授業

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授業後の討議会で司会をつとめるムフリラ教員養成校のチョラ教官(右)

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授業後の討議会で司会をつとめるムフリラ教員養成校のチャリティ教官(左)

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対象校であるマノ初等学校の呼びかけで集まった近隣校の数学教員のみなさん