シエラレオネ共和国といえば、何を思い浮かべるでしょうか。西アフリカの西部、大西洋岸に位置する国ですが、あまり日本では知られていないかもしれません。よく話題にあがるのが10年間にわたった内戦や、HIV、エボラ、そして「世界で一番寿命の短い国」(2002年では平均寿命が34歳)というネガティブなことです。内戦と言えば、2006年に公開されたレオナルド・デカプリオ主演の映画「ブラッド・タイヤモンド(邦題)」でも、当時の凄惨な状況が描写されています。

このように、様々な社会経済上の試練を乗り越えた今、例えば寿命はUNFPAの最新統計で60歳を超えており、鉱物資源を有しているだけでなく、実は観光資源も豊富であり、今後の開発と経済成長が期待されています。

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内戦終了を経て、2005年にJICAのフィールドオフィスが設置され、内戦で疲弊した社会経済インフラや人材育成を支援してきました。2019年には技術協力協定が締結され本格的な支援を行う環境が整ったことを受け、同年、フィールドオフィスから支所へとステータスが上がりました。

シエラレオネの社会経済の再生、活性化に資する支援を、安全、かつ確実に遂行するとともに、本来のポテンシャルの高さを最大限に引き出し、自立を促進することで援助が減っていく、そんな支援を行っていく所存です。

2025年には第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)が横浜で開催されますが、アフリカ自身の主導による開発が益々重要になっています。シエラレオネのオーナーシップを尊重しながら、様々な危機や課題にも対応できる強靭な社会をザシエラレオネの人々と共に作り、そして開発への貢献が日本の支援として広くシエラレオネで認識されるよう、努力していきます。

2024年4月
シエラレオネ支所長 米林 徳人