民間セクター開発

タンザニアの経済は2000年代に入ってから順調に成長を続けており、2000年以降実質GDP成長率は7%前後を記録しています。タンザニア政府の貧困削減戦略「成長と貧困削減のための国家戦略 II(MKUKUTAII)」(2010年)及び「国家5か年計画(FYDP)」(2011/12-2015/16)では、製造業の成長率を2009年の8.0%から、2015年には15%まで伸ばすことを目指すとしています。

タンザニア国内の製造業者の97%は従業員数10名未満の小企業、88%は従業員数5人未満の零細事業者であり、タンザニア政府は中小企業振興公社(Small Industries Development Organization:SIDO)を通じて、事業運営に必要な技術・経営指導、施設提供、少額融資を行うなどして、中小規模製造業者の強化に取り組んでいるほか、基礎インフラ、産業クラスター、金融支援制度の整備など、事業環境の改善にも努めています。しかし、これらの企業は金融支援や技術・経営指導等のビジネスサポートの機会を十分に得られているとは言えない状況にあります。

こうした中、MITが2011年に策定した「統合産業開発戦略」(Integrated Industrial Development Strategy 2025:IIDS)においては、産業発展のためのインフラ整備のほか、具体的に食用油、カシューナッツ、果物、乳製品等の食品加工や皮革、軽工業、繊維製品等を重点的に支援していくことが明記されており、日本も国別援助方針において、IIDSの円滑な実施を支援していくことを定めています。

持続的発展を通じた貧困削減に向けて、今後、民間セクター主導の経済成長の達成が期待されています。