水路及び河川中に存在するマイクロプラスチックの調査を行いました。
2024年7月16日から19日にかけて、バンコク都内の水路及びバンコク近郊の河川(バーンパコン川)でマイクロプラスチックの調査を行いました。この調査は当SATREPSプロジェクトの下、九州大学の海洋プラスチック研究センター(通称COPS)と熊本大学がチュラロンコン大学と共同で実施したものです。COPSからはAlfonso准教授、Suppakarn助教、熊本大学からは中田准教授と1名の長期研修員(博士課程:Pisut氏)、チュラロンコン大学からは1名のタイ人博士研究員(ポスドク:Udomsak氏)が参加しました。
今回の調査において、水路では表層水と堆積物の採集を行いました。また河川では表層水と堆積物の採集に加えニューストンネット iの曳網、水質パラメーター(水温、濁度、pH、塩分濃度、溶存酸素)の測定を行いました。今後は試料中に含まれるマイクロプラスチックの分析を進め、主要な水路、河川におけるマイクロプラスチックの空間的な分布及び生物への影響を推測すると共に、乾季にも同様の採集を行い季節変動の把握にも努める予定です。
さらにプロジェクトでは今回の調査で得られた結果と、これまでの陸域、沿岸域、外洋での調査で得られた結果を総合的に分析することで、どのようにプラスチックが発生し外洋に流れていくのか、そしてそれらの環境影響はどのようなものか推測する予定です。これらの結果を用いてプラスチック流出の効果的な防止策を提案すると共に、プラスチック削減に向けた啓発活動を出来ればと考えています。
※本調査の様子は7月18日テレビ朝日に報道されています:
本プロジェクトの取り組みがテレビ朝日に取り上げられました。 | ODA見える化サイト (jica.go.jp)
バンコクの水路で堆積物を採集する様子
バーンパコン川で採水を行う様子
ニューストンネットでマイクロプラスチックとプランクトンを採集する様子
調査に参加した研究メンバー(左からUdomsakポスドク、Alfonso准教授、中田准教授、Suppakarn助教、Pisut氏)
i 極表層に分布する仔稚魚類や魚卵、動物プランクトン、及び海面上を生活の場とするニューストン(ウミアメンボ等)を採集するためのネット(出典:東京海洋大学 大気海洋研究所)。近年ではマイクロプラスチックの採集にも用いられる。