About Machine Translation

This site uses machine translation. Please note that it may not always be accurate and may differ from the original Japanese text.
This website uses a generative AI

105. 持続可能な稲作モデル研究チームが研修会を実施

本プロジェクトのモデル1「ベトナム・メコンデルタ地域に適した持続型農業システムの開発と応用」では、気候変動に伴って変わりつつある環境に適した稲作技術の開発と応用を進めています。海水位上昇などによる塩水遡上の影響が増大しつつある地域では、稲作を続けられるかどうかが課題となっています。また、化学肥料の使用を抑制することも長年にわたる課題です。稲作におけるこれらの課題を克服するため、高塩分に耐え得る品種の開発、有機肥料の投入や微生物の働きを活用した養分吸収効率向上などの試験が実施されています。同時に、間断灌漑(Alternate Wetting and Drying: AWD)や不耕起栽培を取り入れて、温室効果ガス排出を抑えた稲作技術の確立を目指す工夫も行っています。

今回は、実験サイトであるソクチャン省チャンデー県の稲作農家を会場に、その周辺農家や地元県、村幹部を招待し、モデル研究の成果を共有する研修会を実施しました。講師は、モデル1のリーダーであるNghịa先生(カントー大学農学部)、同モデル研究メンバーのKhương先生(同農学部)、そしてモデル11「インダストリー4.0による環境モニタリング技術の農業・養殖業への応用」と連携しているThái先生(カントー大学情報通信技術学部)が務めました。

参加した農家の皆さんは、研究成果に関心を示す一方で、新しい手法に対し半信半疑の様子も見られました。たとえば、研究者から提唱された不耕起栽培は、農地からの炭素放出を防ぎ、有機物の分解を抑えて土壌中に多くの有機物を残す効果があり、収量の向上に貢献することが実験結果から示されているものです。しかし、長年慣れ親しんだ方法とは異なるため、直ちに受け入れるのは難しいという意見がありました。今回の成果発表を契機に、今後も地道な普及活動が必要であると感じました。また、成果として紹介された微生物活用については、まだ研究プロジェクト内での試験的な段階に留まっており、今後は企業を巻き込んだ商品化が必要です。

個々の農家や社会全体の行動変容には時間がかかりますが、まずはその第一歩として研究成果を生産現場の人々と共有できたことは非常に有意義でした。今回得られた意見をもとに、さらに研究を進めるとともに、成果の社会実装を目指して、今後もさまざまな分野での研修会を積極的に開催していきたいと考えています。

関連参考プロジェクトニュース:
第52号「持続的稲作農業システムの開発のために
第65号「持続的稲作農業システムの開発のために(その2)

試験地の稲体を見せながら新技術の解説をするNghịa先生。微生物を使った農業資材(テーブル上の瓶や袋入り)の説明も。

試験地の稲体を見せながら新技術の解説をするNghịa先生。微生物を使った農業資材(テーブル上の瓶や袋入り)の説明も。

異なる耕作方法で変わる根の張り方など、参加農家も実物を見ながら確認

異なる耕作方法で変わる根の張り方など、参加農家も実物を見ながら確認