165. 農業、水産業と両立するアグリツリー社ソーラーシェアリング試験報告、見学会 (2025年12月15日)
本プロジェクトのカウンターパートであるカントー大学(CTU)との協力覚書を締結し(プロジェクトニュースレター64号参照)、本プロジェクトが目指す産官学連携活動にもご協力いただいている株式会社アグリツリーが、「ソーラーシェアリング」に関する研究報告会をCTUで開催しました。会場となった講堂のある先端研究棟(Advanced Technology Laboratory)は、日本政府による有償資金協力(円借款)事業で建てられたものです(プロジェクトニュースレター22号参照)。なお、今回研究発表の元となった各種試験は、経済産業省「グローバルサウス未来志向型共創等事業」による「ベトナム社会主義共和国/農林水産業の気候変動適応及び農村の電力インフラ強化に資するソーラーシェアリング実証事業」によるものです。
ソーラーシェアリングは、農地の上に高い架台を建て、その上に幅の狭い太陽光発電パネルを設置し、農業と太陽光発電を両立し、農業を安定的に継続していく仕組みです。発電された電力は農業者や地域社会でシェア(分かち合い)されます。今回ベトナム、メコンデルタでの実証事業では、稲作、畑作に加え、エビ養殖池上にも設置し、エビ成長への影響を調べています。
会場ではアグリツリー社から西光司代表取締役、九州大学から濱岡範光准教授、そして本プロジェクト田中チーフアドバイザーらの発表に加え、メインの研究進捗報告としてCTU農学部、水産養殖学部から実際に設置したソーラーパネル下でのイネやショウガ、ゴマの成長、そしてエビ養殖への影響について発表がありました。作物によって好影響があるもの、特に効果の変わらないもの、など色々な特性の違いがありますが、概して大変ポジティブな効果が報告され、そして発電から得られる収益、従来使っていた電気料金相殺効果も考えると、多くのメリットが考えられると、大変興味深い、ポテンシャルを感じられる発表会となりました。会議後は、実際に学内で設置されたソーラーパネルを見学しました。
今後も、CTUとの産学連携を通じて更に継続してデータを取っていき、ソーラーシェアリングが持続可能な農水産業へ果たしていける効果をより科学的に深めていくことが期待されています。
写真1:発表を行うアグリツリー社・西代表取締役
写真2 本プロジェクトを代表して発表する田中チーフアドバイザー。
写真3 パネルディスカッションで会場からの質問に答えるアグリツリー社・織田氏(写真左)
写真4 シンポジウム参加者で記念撮影
写真5 参加者によるソーラーシェアリング見学会(CTU水産養殖学部にて)