138. 生物防除による安全なマンゴー生産に向けた研究とワークショップ(2025年3月17-21日)
現在、JICAプロジェクトの共同研究モデル2「ベトナム・メコンデルタ気候変動に適応したマンゴーの病害防除システムの開発」の一環として、カントー大学(CTU)農学部のLê Phước Thạnh講師のグループと東京農工大学(TUAT)の森山裕充教授が共同研究を進めています。このたび、森山先生が日本からベトナムへ出張されました。
出張期間中、森山先生とThạnh先生のチームは、ラボでの実験を行うとともに、2つのセミナーを開催しました。
1つめは学術セミナーです。17日に開催されました。森山先生の講演に加え、森山研究室の2名の大学院学生(1名はCTUからTUATへの留学生)が研究成果を発表しました。参加者はCTU農学部の学生、および新設のスマート農業修士課程の学生です。発表内容は、マイコウイルスや酵母キラーシステムを活用した生物防除(バイオコントロール)技術や、ドラゴンフルーツの病害対策研究などでした。
2つめは19日に開催され現地報告セミナーです。共同研究の現場であるドンタップ省のマンゴー農園で、周辺農家を招いて研究進捗報告セミナーを実施しました。このセミナーでは、効率的な施肥方法や、化学農薬の代替となる生物防除技術などが紹介され、省の農業関係者や農家の方々から高い関心が寄せられました。
ベトナム有数のマンゴー産地であるドンタップ省において、良質で安全なマンゴーの生産技術を確立し普及させることは、地域経済だけでなく生産者や消費者にも有意義です。今後は、本共同研究で確立した技術や手法をより多くのワークショップを通じて普及させ、農家や地方政府関係者、さらに集荷・加工を担う民間企業にも広く周知することで、農業の持続的発展を目指します。
関連参考プロジェクトニュース:
写真1 CTU農学部でのセミナーで発表する森山先生
写真2 森山先生セミナー発表に耳を傾ける参加者たち
写真3 ドンタップ省マンゴー農園で土の状態を確認
写真4 ドンタップ省での研究成果発表セミナー参加者と