在外研究員、JST評価員、JICA本部担当者の訪問
各グループの研究打ち合わせ、第4回合同調整委員会 (JCC: Joint Coordinating Committee)への出席、及びJST終了時評価の現地視察と協議のため、以下の在外研究員、JST評価員、JICA本部担当者がプロジェクトサイト等を訪問しました。また、9月25日には在タイ王国日本大使館公使の訪問も受けました。
コンケンとバンコク訪問
森川正章(チーフリサーチャー、北海道大学)2025/09/20 - 26
蛯江美孝(G6、国立環境研究所)2025/09/21 - 25
尾形有香(G6、国立環境研究所)2025/09/21 - 25
池 道彦(G3、大阪大学)2025/09/21 - 25
石澤秀紘(G3、兵庫県立大学)2025/09/21 - 25
遠山 忠(G5、山梨大学)2025/09/21 - 25
森 一博(G5、山梨大学)2025/09/21 - 24
鹿園直毅(JST評価団)2025/09/21 - 25
吉開千代(JST評価団)2025/09/21 - 25
橋本 良(JICA経済開発部)2025/09/21 - 26
コンケンのみ訪問
久保田健吾(G4、東北大学)2025/09/20 - 23
バンコクのみ訪問
松本 謙一郎(G4、北海道大学)2025/09/22 – 25(レポート参照
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伊藤照悟(G2、京都大学)2025/09/20 - 25(レポート参照
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小山時隆(G2、京都大学)2025/09/21 – 25(レポート参照
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田中靖浩(G2、山梨大学)2025/09/22 - 25(レポート参照
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2025年9月22日
コンケーン大学・パイラヤ研究室において、ウキクサを原料として嫌気性消化・メタン発酵に関する研究(G4)の成果と現状について議論をしました。開発された技術による低炭素化(G6)の効果を評価するための議論を行いました。また、研究調査場所であるタピオカ工場を訪問し、パイロットプラントの立ち上げ状況や排水処理の運用について現地視察を行いました。
コンケン大学での研究ディスカッションの様子
完成間近のパイロットスケールのバイオガスプラント
タピオカ工場排水を利用したウキクサ生産試験
2025年9月23日
バンコクの北部に位置するロッブリ県の養豚場におけるウキクサ利用排水処理ポンドの試験現場を視察し、ウキクサの生育や温室効果ガス排出量調査の状況を把握しました。なお今回、養豚排水のカバードラグーン処理で生成したバイオガスを利用した発電の様子も視察することができました。排水処理に伴って生産されるウキクサを現地でメタン発酵に利用することができると、一層の低炭素化に貢献できるものと考えられています。
カセサート大学に移動し、キャンパスに設置して運転しているウキクサ排水処理のベンチスケール実証試験の様子を視察し、排水処理およびウキクサバイオマス生産が十分にできていることを確認しました。DHbRCのウキクサ生産工場の様子も視察し、さらにウキクサ微生物共存微生物のデータベース(カタログ)の構築状況などについての説明を受けました。その後、G3(大阪大・兵庫県大グループ)のホロビオント機能強化に関する研究成果について報告・ディスカッションを行いました。また、G5(山梨大)およびG6(国立環境研究所)の研究成果報告・ディスカッションに参加しました。最後に、バンコク中心部の大型商業施設を訪れ、食用ウキクサ (Wolffia)が販売されている様子を確認しました。
ウキクサが繁茂した養豚排水ポンド
排水量測定の様子
採取したサンプルとガスチャンバー
養豚農家におけるバイオガス発電
カセサート大学で運用されているウキクサ植物工場
バンコク商業施設における食用ウキクサ販売の様子
2025年9月24日
第4回JCCに参加し、プロジェクトが順調に進捗し、大きな成果を上げている状況がタイ側・日本側で共有されました。
JCCの後に本チーム内(G2とG4)で打ち合わせを行い、ウキクサの生産・販売を行うBaan Khai Phum社(2024年6月創業)を訪問し、起業の経緯や生産方法の工夫などについて紹介を受けました。Thai Wolffiaは32 m2の池を6つ有しており、クッキー、サラダ、ピザ、ふりかけ、アイスなどの食品の提供に加え、ビールの製造・販売も試みているようです。
Baan Khai Phumのウキクサ生産現場
ウキクサを使ったクッキー
ウキクサを使ったピザ
2025/09/25
カセサート大学において、ウキクサ排水処理のベンチスケール実証試験のメンテナンスを行うとともに、今後の試験について協議しました。
また、在タイ日本大使館から梶原公使と金永書記官の訪問を受け、DHbRCとウキクサ排水処理ベンチスケール実証試験サイトにご案内しました。懇談会では社会実装(G6)の計画についても説明しました。
ウキクサ排水処理実証試験
日本大使館一行の視察と懇談会
補足:本プロジェクトは6つのリサーチグループで構成される。
G1:DHbRC の創設、G2: ウキクサホロビオントコレクションの創出、G3:共生システムの解析と制御、G4:ウキクサ活用技術開発、G5:ウキクサ水処理システム、G6:社会実装
*JST: 科学技術振興機構
*DHbRC: Duckweed Holobiont Resource & Research Center