感染症検査室のアップグレードが進行中(前編) ―“BSL2+検査室”とは―
プロジェクトでは、ザンビア国立公衆衛生研究所レファレンス・ラボラトリー(ZNPHRL)内の一室を、バイオセーフティレベル2プラス(BSL2+)検査室にアップグレードする活動を進めています。ZNPHRLとJICAの協議の結果、検査室のコンセプトが決まり、いよいよ工事が始まりました。
様々な感染症病原体の検査は、取り扱う病原体の危険度に応じ、適切な封じ込め設備・運営管理体制の整った検査室、バイオセーフティレベル(Biosafety Level: BSL)1~4の検査室で実施され、世界保健機関(WHO)等が基準を提示しています。しかし、これら国際的な感染症対策機関の基準では、「BSL2+」という区分は示されていません。それでも、アメリカ国立衛生研究所(NIH
)など研究機関の実験室では、「分類はBSL2検査室だけどBSL3検査室に準じた感染症対策手法を取り入れた“BSL2+”検査室」という区分が提唱され、広く使われてきました。
これまで、BSL2レベルの検査室しかないZNPHRLでは、BSL3検査室での取り扱いを要する病原体が含まれる検体(もしくは疑い検体)は、近隣大学のBSL3検査室に移送し検査が行われています。しかし、予期せずBSL3検査室で取り扱うべき検体がZNPHRLに飛び込むこともあり、そのような検体を一時的に受け取り、BSL3検査室に移送するまでの初期操作を安全に行うための検査室がZNPHRLにはありませんでした。また、将来的にはZNPHRLがBSL3検査室を持つことが計画されており、BSL3検査室の施設運営や実務を担う職員の育成も喫緊の課題となっています。「BSL2検査室だけではバイオセーフティ・バイオセキュリティ(BSBS)の観点から不安…」「今後BSL3検査室を持った時に自信をもって実務に当たれるように訓練の機会が欲しい」。そのような声を受けて、今回のBSL2+検査室の整備が始動しました。
プロジェクトでは、2023年以降、バイオセーフティ・バイオセキュリティに関する能力強化の支援を、ザンビア国内での技術協力および日本国内での研修機会の提供を通じて行ってきました。現在進行中のBSL2+検査室が完工した後には、同施設の運営・使用に関する技術協力を通じて、BSBSに関する人材育成や経験蓄積がさらに促進することが期待されます。