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論文掲載 コレラ流行拡大の地理的要因に関する解析 ―低所得者居住区で持続する水・衛生の課題―

首都ルサカで2023-24年に発生したコレラ・アウトブレイクにおける流行拡大の地理的要因に関して、当プロジェクトがザンビア国立公衆衛生研究所(Zambia National Public Health Institute; ZNPHI)と共同で解析を行い、その結果がTropical Medicine and Healthに掲載されました。

本論文では、コレラ患者の発生は低所得者居住区で特に多く、上水道や衛生的な手洗い場へのアクセスの悪さなどの地理的要因が、患者数の増加に相関していたことが示されました。水・衛生と患者数の関連は、2017-18年にルサカで発生したアウトブレイクでも指摘されています。それらの根本的な課題が解決されず持続していたことが、同地域でのコレラ再流行の一因となった可能性が考えられます。このような根本的な課題の解決を目指すとともに、低所得者居住区に特化した公衆衛生対応やヘルスコミュニケーションを迅速に展開していくことの重要性が改めて示唆されました。

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低所得居住区の位置と貯水タンク、経口補水ポイントの地理的分布。本文より抜粋。

プロジェクトでは、コレラを含む下痢症サーベイランス(Acute gastroenteritis:AGEサーベイランス)を通して、地理情報システム(Geographic Information System:GIS)を使った患者発生地域の「見える化」に取り組んでいます。このようなデータ分析・活用の体制を生かし、2023年10月にルサカで発生したアウトブレイクでは、コレラ患者の発生地域や地域の性質との関連性を示す「コレラ地図」の作成を支援しました。本論文は、その時の分析結果をもとに作成されました。このような地図が、今後の感染症対策や水・衛生環境整備の一助となることが期待されます。

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ルサカの居住地ごとのコレラ発生率とクラスターの時間的・地理的分布。論文より抜粋。

(謝辞)データ解析・論文作成においては、国立感染症研究所 感染症疫学センター 閻芳域先生、神垣太郎先生にご指導いただきました。ありがとうございました。