マルチセクトラル連携による母子栄養改善の継続に向けて
本プロジェクトでは、プロジェクト対象地域のトトニカパン県およびキチェ県において、マルチセクトラルな取組を通じた母子栄養改善を推進してきました。両県では、県食糧栄養安全保障委員会(CODESAN)、市食糧栄養安全保障委員会(COMUSAN)、コミュニティ食糧栄養安全保障委員会(COCOSAN)を通じて、関係セクター間の連携・調整の下、マルチセクトラルアプローチ1を展開しています。
マルチセクトラル活動の実施にあたっては、大統領府食糧栄養安全保障庁(SESAN)のリーダーシップのもと、プロジェクト終了後も持続可能な体制の構築を見据えた取組が進められてきました。プロジェクトでは、マルチセクトラルの制度的枠組みの中で連携を定着させる方策を関係機関とともに検討してきました。
具体的な取組の一例として、教育省が推進する「成長への伴走 (仮訳) (Acompañame a Crecer)」プログラム2の枠組みのもと、「総合乳幼児発達コミュニティセンター (仮訳)(CECODII)」の担当者および保護者を対象に、保健医療従事者やプロジェクトを通じて育成された母子栄養コミュニティ人材3による母子栄養改善活動を実施してきました。
こうした取組の成果と経験を踏まえ、プロジェクト終了後もマルチセクトラル活動による母子栄養改善が担保されるよう、2025年10月には、トトニカパン県SESANのイニシアティブにより、同プログラムの枠組みのもと、保健セクターおよびSESANが連携し、トトニカパン県における4歳未満児とその保護者、妊婦および授乳婦を対象に保健・栄養・乳幼児発達を統合的かつ補完的に支援することを目的に今後の連携継続に関する合意が形成されました。
本合意は、教育省のトトニカパン県教育局長、「成長への伴走 (仮訳)」プログラムコーディネーター、県保健サービス統合ネットワーク局局長、同栄養プログラムコーディネーター、トトニカパン県SESANの署名により正式に締結されました。また、本プロジェクトも証人として署名を行いました。さらに、本合意はマルチセクトラル連携の継続を約束するものとして、トトニカパン県CODESANの月例会で発表が行われました。
これにより、プロジェクトを通じて能力強化が図られた保健医療従事者および母子栄養コミュニティ人材が、プロジェクト終了後も組織的に連携し、現場レベルでの活動を持続的に展開していくための基盤が構築されました。
1マルチセクトラルアプローチ:栄養改善において複数のセクターが連携・協力して行われるアプローチです。これは、栄養問題が単一の分野だけでは解決できないことを認識し、異なるセクターが連携することでより効果的な解決策を見出すための取り組みです。
2「成長への伴走 (仮訳) (Acompáñame a Crecer)」プログラム:0歳から4歳までの子どもたちの権利を保障し、健康と栄養、安全と保護、学習の機会を提供することで、栄養不良の予防と早期教育の強化に取り組んでいます。
3母子栄養コミュニティ人材:コミュニティにおける母子栄養改善のためのPHCサービスの提供を支援する役割を果たす、機能しているコミュニティレベルの既存ボランティア。
保護者を対象とした母子栄養改善に関する活動
母子栄養コミュニティ人材による補完食についての講話
自分の子どもが低体重から回復した経験を語る母子栄養コミュニティ人材
保健医療従事者から補完食について学ぶ「成長への伴走(仮訳)」の受益者
「成長への伴走(仮訳)」プログラムに参加し母乳育児の経験や知識を共有する母親