5歳未満児を持つ母親を対象とした多機関合同の食糧栄養安全保障に関するセッションの実施
グアテマラでは、食糧栄養安全保障における組織間連携の仕組みづくりは、マルチセクターの調整機関である大統領府食糧栄養安全保障庁(SESAN)のリーダーシップのもと、県・市・コミュニティレベルでの調整を通じて行われています。
市レベルでの食糧栄養安全保障に関連する活動の計画や調整を行うために、市食糧栄養安全保障委員会(COMUSAN)が活動しています。
キチェ県チチェ市のCOMUSANの年間活動計画では、5歳未満児を持つ母親を対象とした多機関合同の食糧栄養安全保障に関するセッションが立案されており、COMUSANを通した調整により、毎月、保健省、SESAN、農牧食糧省が協力して、セッションを実施しています。例えば、保健省は「母乳育児」や「正しい手洗い方法」、「補完食※1の調理デモンストレーション」などを行い、農牧食糧省は「家庭菜園」の講習を担当しています。これにより、母親たちは家庭で野菜を育てる方法を学び、その野菜を活用して子どもたちに栄養価の高い食事を提供できるようになります。
また、本プロジェクトで養成された母子栄養改善のためのコミュニティ人材※2は、コミュニティ人材向け研修での学びを生かして保健医療従事者と協力してこれらのセッションを支援しています。彼らは、コミュニティの住民に対して、母子栄養改善の重要性を伝え、実際の生活に役立つ知識を広めています。
この取り組みによって、コミュニティの食糧栄養安全保障が向上し、5歳未満児の栄養改善に貢献することが期待されます。
※1補完食:世界保健機関(WHO)が提唱している、 母乳だけでは足りなくなる栄養を補うための食事のこと。グアテマラの保健省では、生後6か月からの開始を提唱しています。
※2母子栄養コミュニティ人材:コミュニティにおける母子栄養改善のためのプライマリ・ヘルス・ケアサービスの提供を支援する役割を果たす、機能しているコミュニティレベルの既存ボランティア
写真1:栄養のバランスについて説明をするコミュニティ人材
写真2:家庭菜園の講習をする農牧食糧省の担当者
写真3:手洗い指導をするコミュニティ人材と大統領府食糧栄養安全保障庁(SESAN)