保健医療従事者とコミュニティ人材による家庭訪問を通じた母子栄養サービスへのアクセス改善
キチェ県チュポール市保健管区事務所管轄下のChunimáコミュニティでは、2023年12月にコミュニティ人材向け研修が修了し、5名の母子栄養コミュニティ人材※1(保健委員会、コミュニティ開発審議会、伝統的産婆)が育成されました。
このうち、保健委員会は、交代制で週3回、コミュニティ保健センターや家庭訪問の支援を行っています。家庭訪問では、保健医療従事者が成長モニタリングや妊婦健診といった保健医療サービスを提供し、コミュニティ人材は、訪問先までの道案内、身体測定や子どもの予防接種に必要な医療資器材、配付用サプリメント等の運搬など、保健医療従事者の指示のもとで支援を行っています。また、コミュニティ人材は、現地の言葉であるキチェ語を使って、母子栄養改善に関する重要なメッセージを住民に伝えています。これにより、交通手段が限られている地域に住む母親と子どもたちに必要な母子栄養サービスを届けることができ、母子栄養サービスへのアクセス向上につながっています。
さらに、この取り組みによって、住民の信頼感と安心感が向上しています。コミュニティ住民からは、保健医療従事者とコミュニティ人材が一緒に訪れることにより、より安心するというコメントが聞かれています。コミュニティ人材がキチェ語を使ってメッセージを伝えることで、住民は情報を正確に理解することができ、言語の壁も解消されています。
※1母子栄養コミュニティ人材:コミュニティにおける母子栄養改善のためのプライマリ・ヘルス・ケアサービスの提供を支援する役割を果たす、機能しているコミュニティレベルの既存ボランティア
写真1:コミュニティの住民に慢性栄養不良についての講話を行うコミュニティ人材と保健医療従事者
写真2:コミュニティの住民に健康的な食事について講話を行うコミュニティ人材
写真3:家庭訪問に同行をするコミュニティ人材