Chocanuleuコミュニティにおける保健委員会と保健ポストの活性化の取り組み
コミュニティのお母さんたちや子どもたちが健康になってほしいから
Chocanuleuコミュニティ(サン・バルトロ保健管区事務所管轄下)に住むノルマさんは8か月の子どもをもつ母親であり、保健委員会※1のメンバーです。コミュニティの母子栄養改善活動に関わる動機について聞くと、冒頭の答えが返ってきました。
かつてこのコミュニティでは、西部健康促進・研究・教育協会(仮訳)(PIES de Occidente)の支援を受けたプロジェクトにて、保健委員会が活発に活動していました。しかし、そのプロジェクトが終了すると、委員会の活動が停滞し、保健ポストも閉鎖されてしまいました。この状況を改善するために大統領府食糧栄養安全保障庁(SESAN)、ワールド・ビジョン、本プロジェクトが協力し、コミュニティに働きかけ、有志の母親達10名から成る新しい保健委員会が設置されました。
新たに設置された保健委員会は、コミュニティ住民のニーズを集約し、コミュニティ権威者に保健ポストの再活性化を求めました。その結果、毎週水曜日に保健医療サービスが提供されるようになり、コミュニティの人々は再び保健医療サービスを利用できるようになりました。保健ポストの再活性化にあたっては、保健委員会、コミュニティ住民をはじめ、市保健管区事務所の保健医療従事者、SESAN担当者、コミュニティ開発審議会、市食糧栄養安全保障委員会、ワールド・ビジョン等が協力して保健ポストのペンキ塗りや施設の再整備を行いました。このようにコミュニティ全体で取り組むことにより、保健ポストの再開が実現しました。また、保健委員会のメンバーは、本プロジェクトが提供するコミュニティ人材向け研修に参加し、補完食、母乳育児などについて学び、母子栄養改善に向けたコミュニティ活動を計画しました。研修修了後は、保健委員会のメンバーが、妊婦や5歳未満児を持つ母親に研修で学んだことを伝えたり、保健ポストでの受診促進を行ったりしています。
保健ポストの再活性化が実現した背景には、本プロジェクトが提供する研修の実施が大きく影響しています。これにより、住民の保健医療サービスへの関心が高まりました。住民が主体的に関与することでコミュニティのオーナーシップが向上し、保健ポストの利用率が今後さらに向上することが期待されています。
※1 保健委員会:保健委員会の目的は、保健医療従事者と協力してコミュニティの人々の健康増進のための活動を行うことです。委員会のメンバーは、コミュニティ権威者や伝統的産婆、健康促進や病気の予防に関心のあるコミュニティ住民が、住民集会で選出されます(出典 保健省2012 コミュニティ緊急計画)
写真1: 保健ポストのペンキ塗り、再整備のために集まったコミュニティ住民
写真2:保健ポストのペンキ塗り、再整備の様子
写真3:コミュニティの母親に母子栄養改善のメッセージを伝えるコミュニティ人材(保健委員会)
写真4:母子栄養改善に向けたコミュニティ活動計画の実施結果を振り返るコミュニティ人材(保健委員会)