ラオスのREDD+MRV(測定・報告・検証)や森林モニタリングシステムを支えるデータ・マネジメント
ラオスはREDD+(注1)の準備段階の要求事項をクリアして、現在は緑の気候基金や世界銀行の炭素基金といったREDD+成果支払いを目指す段階にいます。また、準リアルタイムの県森林減少モニタリングシステム(PDMS) も他ドナーとの協力の下で今年中にラオス全18県中15県まで運用が拡大するなど成果を上げてきています。 REDD+ではとりわけ高い情報の透明性と再現性が求められる中、国のREDD+ MRV(注2)や森林モニタリングを支えるのがデータ・マネジメントです。F-REDD 2ではICT技術の革新に合わせた支援を行っています。
ラオス森林局(DOF)の森林インベントリ計画課(FIPD)が運用するサーバーには、DOFが所有してREDD+ MRVで利用されている森林区分図や変化図等の多くの空間情報データの公式版が格納されて管理されています。また、国のREDD+ MRVの基本情報を非GISユーザでも簡易に確認・閲覧できる国家森林モニタリングシステム(NFMS)ウェブポータルやPDMSのサービスも、同じくFIPDサーバーでホストされています。これらの維持から日々のメンテナンスやトラブルシューティングに至るまで、データ・マネジメント能力の強化は多岐にわたることから、現地ICT会社の協力を得ながら進める方法が最適です。
国・準国レベルのREDD+ MRV実施・管理が本格化し、PDMSの導入も拡大してユーザーアクセス数が増加する中、国の気候変動緩和策を支える重要なシステムの一つとして、そのパフォーマンスの確保や安定的な運用に向けて、ますますデータ・マネジメント能力と体制の改善・強化が重要になってきています。
(注1)REDD+:途上国での森林減少・劣化による温室効果ガスの排出を緩和することに対して経済的なインセンティブを国際社会が提供する仕組み。
(注2)MRV:温室効果ガスの排出削減・吸収量を測定(Measurement)、報告(Reporting)、検証(Verification)すること。
ラオスNFMS Web-Portal(国のREDD+MRV情報閲覧システム)
ラオスの国・県森林モニタリングを支えるサーバー・インフラ