ラオス農林省が、JICAが開発・運用してきた県森林減少モニタリングシステム(PDMS)をラオス公式の森林モニタリングツールとして承認しました
ラオス農林省は、この度、県森林減少モニタリングシステム(PDMS)(注)を公式な森林モニタリングツールとして承認しました。この決定は、森林減少に対処するための重要な一歩となります。
PDMSは、先進的なリモートセンシング技術と衛星画像を活用して、森林減少を準リアルタイムでモニタリングするためのシステムです。このシステムは、地方の森林官が効果的かつ効率的に森林減少データを収集・分析し、また違反者に対する行政指導など、適切な対策を講じることを可能とします。
JICAの技術協力プロジェクトを通じて2019年より開発・運用してきたPDMSは、世界銀行やドイツ、NGO等の他ドナーの協力もあり、現在、ラオス全18県中15県で運用されています。F-REDD 2は、関係部局との会合や研修等を通じて、森林モニタリングの強化とPDMS実施の促進を側面支援してきました。PDMSの公式承認は、各県での運用実績が評価された結果であり、またラオスの森林保全への取り組みを一層強化するために、PDMSが大きな役割を果たすことへの期待の表れでもあります。
一方、PDMSの地方展開において、巡視活動に従事する森林官の不足や頻繁な人事異動等の運営上の課題も報告されるようになり、地方の森林官に対して継続的に能力強化ができる体制づくりが必要となっています。また、PDMSの持続性の観点から、ラオス側のリソースでシステムの保守管理ができるような体制づくりや能力強化を図る必要があります。このような課題を踏まえ、F-REDD 2では、さらなる森林モニタリングの強化に向けて、中央レベルでの森林モニタリングの実施体制の構築や能力強化に取り組む予定です。
(注)PDMSに関する過去のニュースはこちら。
PDMS承認文章(農林省令2761号 :2024年5月24日付)
PDMS承認に向けた中央レベル会合(2023年10月)